「レッドサラマンダー」だけじゃない! 消防の“水陸両用車”実はかなり増えていた 実際「使えるんですか?」
47都道府県すべてに配備されている水陸両用車って?
これら「大型」および「中型」の水陸両用車が、限られた消防組織への配置なのに対し、47都道府県すべてに配備が進められているのが「小型水陸両用車」です。ベースはカナダ製の8輪バギー「アーゴ(ARGO)」。これに消防車両として必要な艤装を施しています。
車体サイズは全長3.02m、全幅5.525m、高さ1.17m。重量は約600kgで、定員は陸上6名、水上4名です。陸上であれば32km/h、水上なら最大4km/hで移動できます。
この小型水陸両用車は警視庁をはじめとした警察も独自に導入しているほか、地方自治体や民間企業も万一の時に備えて調達しているケースが見受けられます。
なお、大阪市消防局には大型水陸両用車である「レッドヒッポ」とは別に、この小型水陸両用車も配備されています。
これらは、そのほとんどがここ10年のうちに導入されたもので、逆にいえば2011年の東日本大震災以降、消防組織の水害に対する救出救援能力は飛躍的に高まったといえます。
確かに消防車は金額だけで捉えると、高く感じてしまうかもしれません。しかし、万一の際にひとりでも救うことができたら、整備にかかったコストは賄えるともいわれています。それだけ人命は尊いということ。出動しないに越したことはありませんが、いざという時のために備えるという点では、「はしご車」や「大型化学車」も同様です。
「助けられる命は必ず助ける」――今回の能登半島における大雨災害でも、そのために全国の消防組織は、装備をそろえ現地で活動しているといえるでしょう。
【了】
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