つなげて欲しい! 東京郊外「ビミョ~な乗換駅」毎日ゾロゾロ大移動 うまくつないだ例も

東京圏は複数の鉄道路線が密接につながり、相互の乗り換えによるネットワークを形成していますが、特に郊外には「微妙につながっていない」駅どうしがあります。乗り換えの利便性もまさに微妙。つなげる計画はないのでしょうか。

なんでつながってないの!? 乗り換えづら~い郊外の駅

 東京は世界でも有数の鉄道のネットワークが発達している都市のひとつです。都心部では「どの方向に歩いても3分以内に駅がある」といったエリアが珍しくありません。そのネットワークは、郊外においても放射状の路線どうし、もしくは環状の路線が密接に補完しあい、利用しやすい環境を形作っています。

 ところがそうした郊外で、「通勤や通学の乗り換え駅として重要なのに、なぜか直接つながっていない駅」が複数存在します。そうした駅と、それぞれの駅の“乗り換え事情”をご紹介しましょう。

新秋津駅(JR武蔵野線)-秋津駅(西武池袋線)

 JR武蔵野線はさいたま市方面、西武池袋線は池袋方面へ、重要な通勤通学路線で、相互の乗り換え需要も少なくありません。しかしこの両路線が東京都東村山市内で交わるところに駅はなく、JR武蔵野線は「新秋津駅」、西武池袋線は「秋津駅」が、その交点からややずれて設置されています。

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JR新秋津はJRと西武の車両受け渡し拠点。ここを介して小田急8000系も西武線へ回送されたが、駅同士はつながっていない(画像:PIXTA)。

なお、秋津駅は西半分が東村山市、東半分が清瀬市に所在しますが、上り線ホームの一部は埼玉県所沢市に属すなど、都県境や市境が入り組んだ場所となっています。

両駅のホームの端と端の距離はわずか100mほどですが、乗り換えは改札を出て、狭い商店街をジグザグに350mほど歩く必要があります。朝のラッシュ時は歩行者の数も多く、かなりのストレスです。

 この“乗り換え問題”については、埼玉県議会でも県民の不満およびインバウンド振興の観点から、地下道設置を求める質問が行われていますが、県は「地元駅前のまちづくり計画の検討が重要」と答えるにとどまっています。

本川越駅(西武新宿線)-川越駅(東武東上線/JR川越線)

 古い街並みで知られる埼玉県川越市の中心部には「川越市駅」「本川越駅」「川越駅」という3つの駅があり、川越市駅には東武東上線が、本川越駅には西武新宿線が、川越駅には東武東上線とJR川越線が発着するという、複雑な関係となっています。

 このうち東武東上線とJR川越線は川越駅での乗り換えが至近です。東武東上線と西武新宿線はそもそも近かった川越市駅と本川越駅の間を直線的に結ぶ道路が2016年に開通したことから、それほどの不便さはありません。

 しかし西武新宿線とJR川越線の乗り換えは、市街地を800mほど歩く必要があり、駅構内での移動時間も含めると、乗り継ぎには15分はかかるとみていいでしょう。

 それぞれの駅前には繁華街が広がり、再開発による一体化は困難です。

【毎日が大移動!?】「ものすごくビミョーな乗り換え駅」の風景(写真)

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