道路が「あったか~い」 首都高を“雪国仕様”にするスゴイ技術 「この紙1枚埋めるだけ」で雪を溶かす!

全部温める必要はない!

 和紙を立てて溝に埋め込む時点で、このシステムは一定の“面”の雪を溶かす一般的なロードヒーティングに対し、走行路のわだち部分のみを対象とする“線”の考え方です。しかし、その上をクルマが走ると、雪が溶ける範囲が広がるのだとか。

 もちろん、天候によっては、そこへさらに雪が積もって圧雪状態になることも考えられますが、「路面に接する部分の雪はシャーベット状になっているので、スタック(立ち往生)を防げます」(担当者)とのこと。

 首都高では2018年1月の大雪をきっかけに、このロードヒーティングシステムを開発し、これまでC2中央環状線の王子南入口、飛鳥山トンネル、4号新宿線の新宿入口などに設置されているといいます。これらは急勾配があるため、大雪時にスタックが起った、あるいは起こりやすい箇所です。

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展示されていた舗装サンプル。手を置くと確かに発熱していた(乗りものニュース編集部撮影)。

 都市部だけでなく、上信越道や北陸道、山形道といった雪国の道路でも導入されているほか、今後は一般道のなかでも特にスタックの危険性が高い峠道の区間への導入が増える予定だそうです(個人宅の施工例もあるとか)。

 ちなみに、この「発熱する和紙」は道路以外だと、たとえばクルマのハンドルがほんのり暖かくなるステアリングヒーターなどにも使われているといいます。とはいえ、最大で300度の熱を出すことも可能だそうです。

【了】

【え…手軽すぎ!?】これが“紙1枚”で雪を溶かすシステムです(写真)

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