「輸送機」だけど旅客機エコノミーよりイイ!? 中東へ向かった空自C-2の居心地 先代C-1と“雲泥の差”のワケ
C-2では騒音や座席も改善
ところで軍用輸送機の「被輸送人員」は、旅客機の「乗客」ではないことをC-1では実感します。
機内座席は左右の側壁沿いに2列と貨物室の中央に1列、3列横向きに並んだパイプフレームに布張りの簡易的なものです。窓も少なくて薄暗く、通勤電車と同じように進行方向横向きに着席するので外の様子はまったくわかりません。
離陸前は、しばらくゴトゴトと地上走行し、止まったのかなと思うと突然、加速を始め、離陸時に横から強いGを受けますが気持ち悪いものです。機内は与圧されており、温度も適温なのですが、耳栓必須の騒音で会話はほとんどできません。
一方のC-2の機内はC-1とは少し雰囲気が違います。照明が多く壁面がベージュ色なこともあいまって機内は柔らかな明るさで、耳栓は必要ないレベルまで騒音も小さくなっています。座席は横向きですがC-1より座り心地は改善されています。
旅客機と大きく違うのは足元が広く圧迫感がないことで、安定高度巡航中は座席を立って体を動かすこともでき、「被輸送人員」でも窮屈なエコノミークラスよりは快適かもしれません。
C-2が海外派遣にも使える能力を有することは、在外邦人にはとりわけ意味があります。政情不安な場所に置かれた日本人が、空港で日の丸が付いた輸送機を見てどんなに安心するか想像に難くありません。国として自国民を保護する意思を示す象徴なのです。
【了】
※誤字を修正しました(10月7日9時)
Writer: 月刊PANZER編集部
1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。
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