【空から撮った鉄道】東海道新幹線の車両基地〈後編〉&北陸・山陽 東京よりも車両がバラエティに富む!

前回、東海道新幹線の車両基地で紹介しきれなかった大阪府の鳥飼車両基地と、JR西日本の新幹線車両基地を紹介します。JR西日本は北陸新幹線と山陽新幹線。金沢、広島と見てみます。

この記事の目次

・貨物新幹線構想の名残が! 鳥飼車両基地
・豪雪ならではの対策も 白山総合車両所
・博多総合車両所広島支所は住宅街の中に なぜ?

【画像枚数】全18点

貨物新幹線構想の名残が! 鳥飼車両基地

 前回紹介したJR東海東海道新幹線の車両基地は、東京から名古屋まででした。今回は大阪側の拠点、鳥飼車両基地です。

 大井と同じく鳥飼も総称であり、大阪仕業検査車両所、大阪修繕車両所、大阪交番検査車両所、大阪台車検査車両所と、いくつかの施設から成ります。『空から撮った鉄道』では2019年3月27日号から数回取り上げていますので、今回は別カットの写真をお見せしましょう。

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鳥飼車両基地の全景。奥が新大阪駅方向。手前が仕業検査や交番検査などを行う検修庫。中心部で新幹線車両が並んで停止しているのが着発収容線。奥は電留線(2023年1月28日、吉永陽一撮影)。

 鳥飼車両基地は新大阪駅から東へ9.1kmの地点にあり、大阪貨物ターミナル駅が隣接し、西側は大阪中央環状線道路と大阪モノレールの軌条があります。そのため大阪モノレールの車内からずらっと電留線に並ぶ新幹線車両が俯瞰できるので、人気の鉄道スポットにもなっています。

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鳥飼車両基地の新大阪側は中央環状線道路と大阪モノレールがある。一段高い位置を走行するモノレールの車窓からは電留線にずらっと並ぶN700系の勇姿が見えるので、鉄道好きには人気だ(2017年11月9日、吉永陽一撮影)。

 鳥飼車両基地は、1964(昭和39)年の東海道新幹線開業に合わせて開所し、当初は大阪運転所の名称でした。本線から分岐した線路は着発収容線となって広がり、再び収束すると仕業検査検修庫となって、敷地は約2.3kmの長さを有しています。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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