【空から撮った鉄道】「ここは全て線路だった!」マンションに囲まれた機関区“かつての姿”とは 10年で機関車も変化!?

機関区はどこかワクワクする存在です。新川崎駅に近い場所にはJR貨物の新鶴見機関区があります。かつては操車場を併設しましたが、これが不要になると広大な敷地跡にはマンションが林立。約10年間空撮してきた新鶴見機関区のシーンを紹介します。

この記事の目次

・開けて線路が幾重にも並ぶ新川崎駅周辺
・ハンプで突放! 操車場が併設されていた
・増えた「H級」機関車たち
・模型で再現したい? 機関区を空から見る
・住宅街を切り裂く尻手短絡線とは

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開けて線路が幾重にも並ぶ新川崎駅周辺

 JR横須賀線の下り電車が武蔵小杉駅を過ぎて新川崎駅へ近づくころ、武蔵野南線の線路がトンネルから現れ、いくつも線路が並ぶ新鶴見信号場の脇を通過します。武蔵野南線は府中本町駅から梶ヶ谷貨物ターミナル駅を経て鶴見駅へ至りますが、新鶴見信号場が実質的な起点となっていて、臨時列車以外はほぼ貨物運行専用です。旅客線の武蔵野線と分けるため、便宜上「武蔵野南線」という通称となっています。

 さて、今回の主役は武蔵野南線ではなく、新鶴見信号場にあるJR貨物の新鶴見機関区です。下り電車が新川崎駅に到着すると、駅のすぐ隣にこの機関区があります。まずは新鶴見信号場について、軽く歴史を紹介します。

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武蔵小杉駅方向から新鶴見信号場と新鶴見機関区を遠望する。縦長の敷地は一大操車場があった名残で、住宅地へと再開発された場所も含めるといかに広大な貨物列車の拠点であったか分かる(2024年6月、吉永陽一撮影)。

ハンプで突放! 操車場が併設されていた

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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