昭和レトロな「3発ジェット機」が羽田に降臨! かつては日本中で見られたのに“激レア”になっちゃった理由
1963年にデビューし、かつて世界中を飛んでいたボーイング製のベストセラー旅客機が、羽田空港に姿を見せました。ただ、この機体も経歴を見るとかなりのオールドタイマーだとか。どこの機体なのでしょうか。
ボーイング727が生まれたキッカケは?
羽田空港に2024年10月7日、見慣れない旅客機が降り立ちました。同機は機体後部に配置された3発のエンジンが特徴的なボーイング727-100型機(登録記号VP-BAP)です。
ただ、40年前ならいざ知らず、いまや727シリーズは日本の空からは全て引退しており、突然の激レア機の飛来に空港周辺ではカメラを持った航空ファンの姿を多く見かけました。
そもそも、ボーイング727はどのような機体なのでしょうか。開発の端緒は1950年代後半にさかのぼります。当時、アメリカ国内の航空需要が高まっていく中で、従来のプロペラ機に代わる短・中距離向けのジェット旅客機が必要となってきました。各航空会社は高頻度の離着陸に対応し、短い滑走路でも運用が可能な、経済性に配慮した機材を求めることになります。
ただ、当時はエンジンの信頼性の問題から、双発機は片側のエンジンだけで60分以内に到達できる空港がある範囲でしか運航できず、カリブ海路線などを抱えるイースタン航空は3つ以上のエンジンを搭載した機体を望んでいました。
これらの課題をクリアするため、ボーイングは4発機の707型機や720型機に続く新機種として、3発機の開発に取り組みます。機体後部に3つのエンジンを集約し、水平尾翼を垂直尾翼の上に置くデザインを採用します。設備が整っていない小規模な空港への就航に備え、格納式のタラップ(エアステア)や、地上からの電源供給なしにエンジンの起動やエアコンを作動させられる補助動力装置(APU)を取り入れました。また、胴体を地上に近づけたことで、荷物の積み下ろし作業時の効率や整備性の向上も図っています。
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