オトコの作業服着が発祥!「セーラー服」はなぜ女性のファッションとして浸透していったのか?
女子学生の制服として2024年現在でも見かけることのあるセーラー服は元々、海軍に従事する水兵の制服でした。なぜこの服装が女性のファッションアイコンになったのでしょうか。
イギリス海軍の水兵服として開発
女子学生の制服として街で見かけることも多い、セーラー服。セーラー(水兵)という言葉が示すとおり、大きな襟の付いたデザインの服は、20世紀前半までは純然たる男の職場だった海軍の水兵が着用する制服が発祥となっています。
なぜ、海軍の屈強な兵隊たちの制服が、可愛らしい女子生徒の制服になっていったのでしょうか。セーラー服の歴史を紐解いてみましょう。
セーラー服を最初に導入したのはイギリス海軍で、その端緒は1857(安政3)年と言われています。
実はそれ以前のイギリス海軍というのは水兵に決まった制服はなく、艦長などの士官が海戦や航海のたびに酒場などで、今でいう半グレのような人員を徴収した際に、服も支給し水兵とするのが伝統でした。
さすがに18世紀初頭のナポレオン戦争以降は、水兵も正規の軍人になりましたが、制服を艦長が決める伝統は残り続けていました。
しかし砲艦「ハーレクイン(道化師)」の艦長が、艦名にちなんで、道化師の衣装を着せ大問題になったことをきっかけに制服の統一が検討されるようになります。そのとき当時の水兵の作業着などを参考に作られたものが、セーラー服の原型になります。
実は正式採用よりやや前の、1846 年にヴィクトリア女王が4歳の息子のアルバート エドワード ウェールズ王子(後のエドワード7世)にマリンファッションの服を「セーラーズ・ドレス」と呼称して着せており、セーラー服の語源はそこからきているとも言われています。
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