オトコの作業服着が発祥!「セーラー服」はなぜ女性のファッションとして浸透していったのか?
当時最強だった英国海軍を他国も真似る
セーラー服といえば大きな襟が特徴です。なぜあのような大きな襟を制服にとりいれたのか、そこには大きな理由がありました。まずそのひとつは、万一、水兵が海に落ちたときに役立つからです。
大きな襟は浮きやすく、また海の中でも広がるため、船の上から見つけやすいというメリットがあります。さらに、多少乱暴ではありますが、救助の際に引っ張り上げやすいというのも利点の一つです。
もう一点、収音機能としての役割があったのではという俗説もあります。海上のような波音や風の強い場所では、人の声はなかなか遠くまで届きません。そういった際に大きな襟を頭の後ろに立てて音を拾いやすくすることで、相手の声を拾いやすくすなるからです。
セーラー服を採用した当時、イギリスは世界中に植民地を持ち、「日の沈まぬ帝国」とも呼ばれるほどの勢力を誇っていました。そのような大国の海軍水兵の制服であることから、マリンファッションの最先端であったともいえるでしょう。セーラー服を着用したイギリス海軍の兵士らは世界中で活動したことで、イギリスの威容を自分たちの姿を通して各地の人々に見せつけたのです。
そのおかげもあってか、各国の海軍はこぞってイギリス海軍の水兵服を真似し始めます。日本も1872(明治5)年、海軍省の設立とともに海軍水兵の制服としてセーラー服を導入しています。
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