「レガシィ」消滅で改めて問う SUVは日本の交通事情に合っているのか? 日の丸SWは“オワコン”か
「ハイパワー4WDワゴン」という斬新コンセプト
とはいえ、「レガシィ」が作り出した高性能スポーツワゴンという斬新なコンセプトは他メーカーにも影響を与え、のちに日産は「スカイラインGT-R」のメカニズムを移植した「ステージア260RS」、トヨタは「レガシィ」と似たコンセプトの「カルディナGT-Four」、三菱は「ランサーエボリューションIX」ベースの「ランサーエボリューションワゴン」を発売しています。
また、「レガシィ」のコンセプトはヨーロッパ車にも大きなインパクトを与え、ボルボからは最高出力235psを発揮する「850T-5」がリリースされています。
2代目、3代目、4代目と代を重ねるごとに完成度を高め、人気を維持した「レガシィ」ですが、2000年代に入ると北米市場での人気の高まりから、現地の声に応える形で2009年に登場した5代目から車体サイズを拡大します。これによってボディが肥大化し、デザインがアメリカ人好みのボリューム感のあるものに変わったことで日本のユーザーの好みに合わなくなり、国内の販売台数は下降線をたどるようになりました。
こうして、大きく重くなってしまった「レガシィ」の販売不振の穴を埋めるべく、スバルが2013年に発表したのが「レヴォーグ」です。このクルマは「レガシィ」よりもひと回り小さく、車高がより低いスポーツワゴンとして誕生しました。
以降、スバルの国内販売の主力は「レヴォーグ」となり、2014年に登場した6代目で「レガシィ」は「ツーリングワゴン」を廃止。2020年には国内のセダン不振を背景に「B4」の販売を終了。現行モデルの7代目ではステーションワゴンから派生したクロスオーバーSUVの「アウトバック」のみ国内販売されたのです。
レヴォーグはどうか残り続けてほしい