イージス艦の「レーダー」取り替えませんか!? 米海軍が採用の新型を“猛烈売り込み” 「日本は特にお買い得ですよ!!」一体なぜ?
日本にも積極的な売り込み どんなメリットが?
こうした動きは、日本市場を強く意識したものだと筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は考えます。というのも、現在海上自衛隊では、艦齢が古くなったこんごう型護衛艦の後継となるイージス艦の建造を予定しており、その搭載レーダーとしてRTX社のSPY-6が有力候補の一つとなっているためです。
さらに、アメリカ海軍のバックフィット改修と同様に、まや型護衛艦など既存の海上自衛隊のイージス艦にもSPY-6を搭載することが可能だとRTX社は説明します。加えて、イージス艦に限らず幅広い艦艇への搭載も可能だ、としました。今後登場する新型の汎用護衛艦への搭載なども視野に入れていることが伺えます。
もし日本が購入する場合、先述したアメリカ海軍との「まとめ買い」や部品共有といったメリットを最大限享受することができます。
また、SPY-6に関しては、日本の三菱電機および三波工業が部品製造に参画すると2024年7月に発表されています。将来的に、これら2社による部品供給などを含めた参画範囲が拡大すれば、アメリカ海軍向けの整備拠点が日本に置かれる可能性も否定できません。そうなれば、日本がSPY-6を導入するメリットは、さらに大きくなるでしょう。
【了】
Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)
軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。
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