125ccも50ccと同等に! ついに誕生「新基準原付」不都合を抱えたままスタート 足並み揃わないルール作り

警視庁はよくても、総務省はどう言うかな?

 警察庁は道路交通法施行規則の一部を改正しました。50cc原付のことを道路交通法では「一般原付」と呼びます。この規定について次のように改めました。

・排気量については〇・〇五〇リットル(二輪のもののうち、構造上出すことができる最高出力が四・〇キロワット以下の原動機を有するものにあっては、〇・一二五リットル)。

 これにより、原付の運転が可能な運転免許の所持者は、原付以上の運転免許を所持していれば、付帯免許でも新基準原付のバイクを運転することができます。

 ただし警察庁の場合、改正内容の発表は2024年11月13日ですが、この内容の施行日は2025年4月1日です。国交省の施行日が公布日と同日なのは、バイクメーカーの車両製造に配慮したものと思われます。また、警察庁の施行日は、車両の供給を前提にした交通ルールになっているためです。

 また、前出した3つ目の課題である課税ルールの改正は、総務省が軽自動車税で定められた排気量区分(種別割)の変更について、法律の改正が必要であると判断したため、国会議員が関係する税制改正の方針が示されることが必要になりました。

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国土交通省の発表のイメージ(中島みなみ撮影)。

 経済産業省と共に、国交省と警察庁が求める税制改正要望は、そのほか幅広く国民生活に影響する多くの税制改正要望といっしょに検討されるため、運転が可能になる来年4月1日までに決定する見通しは立っていません。

 50cc原付と、そのほかの原付での課税額の差はわずかですが、排気量制限が改められないと、地方自治体が運営する駐輪場などに、新基準原付が駐車できない可能性があります。

【了】

【画像】125ccの主なラインアップ

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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