戦艦+空母=最強? 日本海軍が生んだ「航空戦艦」の顛末とは 艦載機乗りは驚愕の“帰還方法”

一見すると、空母と戦艦の両方の性格を併せ持つ軍艦は、極めて強そうですが、そうではありません。なぜ万能のように感じる航空戦艦は、うまくいかなかったのでしょうか。

飛行甲板で発着できないのに、どう運用する?

 しかし、これは単なる数合わせにしか過ぎません。そもそも、艦の後部にしか飛行甲板がない伊勢型では、「彗星」の発着が不可能です。これは空母としては致命的といえるでしょう。

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旧日本海軍の艦上爆撃機「彗星」(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)。

 そこで、伊勢型では「彗星」をレール上の滑走台車の上に置き、台車ごとカタパルトで加速、「彗星」は母艦の針路からやや斜めにずれた前方へ射出、台車を分離し発艦するという大胆なアイディアが試みられました。これなら全機発艦も数分で行え、全通飛行甲板を持つ空母と比べても遜色ないものだったと言います。

 ただ、一方で発艦はともかく着艦だけはどうにもなりませんでした。そのため僚艦となる他の空母に着艦するという奇策が用いられることになりました。しかし、これは攻撃隊が何割か損耗して未帰投で終わることを前提にしたもの。空母の艦上機が減っていなければ44機と搭乗員88名は帰る場所を失い、危険な不時着水を余儀なくされることを意味しました。なお、仮に空母へ着艦できたとしても、もし空母の収容機数があぶれそうになったら、逐次海上に機体を捨てる必要があったでしょう。

 かくしてカタパルト発進型「彗星」は制式化され、「彗星二一型」ないし「彗星二二型」という名称も与えられました。しかし、さすがに作戦遂行の都度、貴重な艦上爆撃機を使い捨てにするという運用は無駄が多すぎること、また「彗星」の需要が非常に大きかったことから、「伊勢」「日向」への「彗星」搭載は後回しにされ続けます。

【爆弾落とした瞬間だ!】終戦直後の「伊勢」「日向」、艦爆「彗星」のレアシーンも(写真)

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