戦艦+空母=最強? 日本海軍が生んだ「航空戦艦」の顛末とは 艦載機乗りは驚愕の“帰還方法”

一見すると、空母と戦艦の両方の性格を併せ持つ軍艦は、極めて強そうですが、そうではありません。なぜ万能のように感じる航空戦艦は、うまくいかなかったのでしょうか。

伊勢型航空戦艦が完全な空母にならなかったワケ

 太平洋戦争の開戦から半年後、1942(昭和17)年6月上旬に起きたミッドウェー海戦は、旧日本海軍が作戦に投入した4隻の正規空母をすべて失い、回復不可能な大打撃を被ったことで、大戦序盤に獲得していた日本側の優勢を終わらせたことでよく知られます。

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1943年8月24日、鹿児島県の佐多岬沖にて撮影された「伊勢」。航空戦艦への改装完了直前の様子(画像:アメリカ海軍)

 現在の日本では「日本海軍は大艦巨砲主義であり航空機の役割を軽視した」という主張が散見されます。しかし、この見解は現実とはかけ離れていると言えるでしょう。実際、日本海軍は航空戦の重要性を深く理解しており、戦略面においても航空機の役割を重視していました。実際、不足した洋上航空戦力を補うために、貴重な主戦力であるはずの戦艦「伊勢」「日向」を航空戦艦へ改装する計画に着手するという、一大決心に踏み切ったことからも明らかです。

 当初は全通甲板を備えた完全な航空母艦に造り変えるプランもありましたが、早期に戦力化する目的から船体後部の第5・第6の主砲塔のみ撤去し、後ろ側だけに飛行甲板を設ける、即席の空母化改装で終わっています。こうして、戦艦の火力と空母の航空機運用能力を併せ持つハイブリッド艦、伊勢型航空戦艦が誕生しました。

 伊勢型の艦載機搭載数は改装前の3機から22機へと増大し、新型の艦上爆撃機「彗星」を搭載することとなりました。「伊勢」「日向」の2艦合わせるとその搭載機数は44機であり、ミッドウェー海戦で失われた空母「赤城」の艦上攻撃機と艦上爆撃機の合計数に匹敵します。ゆえに、空母1隻分の打撃力を期待できるという目論見でした。

【爆弾落とした瞬間だ!】終戦直後の「伊勢」「日向」、艦爆「彗星」のレアシーンも(写真)

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