噴火で出動中の大型輸送ヘリCH-47 その実力とは
御嶽山の噴火で、陸上自衛隊の大型輸送ヘリCH-47が救出活動を行っています。このヘリ、災害救援などにしばしば用いられることがあり、福島第一原発への空中放水にも使われました。はたしてどんなヘリコプターなのでしょうか。
製造は日本の川崎重工業
2014年9月27日(土)、長野・岐阜県境にそびえる御嶽山が噴火。懸命の救助活動が続けられ、10月1日からは陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプター「CH-47」が投入されました。
このCH-47、災害発生時には多く登場するため「大きなプロペラがふたつあるヘリコプターだ」と認識している人は多いのではないでしょうか。2004(平成16)年の新潟県中越地震で孤立した山古志村を救援したのもの、2011(平成23)年の東日本大震災で福島第一原発に空中から放水したのも、このヘリコプターです。
CH-47はアメリカのボーイング・バートル社で開発されたヘリコプターで、愛称は「チヌーク(Chinook)」。ネイティブアメリカンのチヌーク族が由来です。初飛行は1961(昭和36)年と古く、ベトナム戦争にも参加。以降、改良されながら半世紀以上も生産、運用されており、「傑作機」と呼んでも過言ではないでしょう。アメリカ陸軍や日本の陸上・航空自衛隊のほかイギリス、スペイン、オーストラリア、カナダなど多くの国で採用されています。基本的に軍用機ですが、民間型も多少あります。
自衛隊で導入が始まったのは1986(昭和61)年です。ただここでポイントなのは、ボーイングが製造したものを輸入したわけではないこと。日本の川崎重工業がライセンス生産を行っています。
長年に渡って製造されているCH-47には、様々なバリエーションがあります。自衛隊が1986年、まず最初に導入したのは「CH-47D」と呼ばれる改良型の機体をベースに、川崎重工業がライセンス生産した「CH-47J」です。この川崎重工業製造の自衛隊向けCH-47はその後改良が行われ、1995(平成7)年からは「CH-47JA」という航続距離や夜間対応性能などを向上させたバージョンが製造されています。
自衛隊のうちこのヘリコプターを装備するのは「陸上」と「航空」で、2013年度末時点で自衛隊が保有する機数は陸自、空自、「J」「JA」すべて合わせて71機です。
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