あえて夜に蒸気機関車を運行 大井川鐵道

展望車から展望するのは景色ではなく

 「SLナイトトレイン」の列車編成は、1月21日の往路が「SL+旧客+旧客+座敷車+展望車」、復路が「SL+展望車+座敷車+旧客+旧客」です。「旧客」とは自動ドアもエアコンもない昔ながらの「旧型客車」のことです。

 この1月21日の運転ではその復路、蒸気機関車のすぐ後ろに展望車が連結されるのがポイント。蒸気機関車の真後ろでその醍醐味である鼓動、サウンドを楽しむことが可能なのです。大井川鐵道によると初めての試みとのことで、「SLのシリンダーにより近い位置ですので、音どりにも最適」といいます。鉄道趣味には、そのように録音して楽しむ分野「録り鉄」もあるのです。

 2月21日運転の編成は、往路が「SL+旧客+旧客+旧客+オハニ36」、復路が「SL+オハニ36+旧客+旧客+旧客」。こちらのポイントは「オハニ36」です。「オ」は車両重量が「32.5t以上37.5t未満」、「ハ」は「普通車」、そして「ニ」は「荷物車」を意味します。つまりこの「オハニ36」は、普通車と荷物車が一体になった車両なのです。

 かつて、こうした車両を使って旅客列車で荷物輸送も合わせて行われた時代がありましたが、現在ではこうした荷物車の存在自体が大変貴重になりました。運転当日は、この車両の荷物室見学も可能とのことです。

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