79歳の機関車「ムーミン」、鉄博のある大宮へ

「ムーミン」が鉄道博物館入りしてもおかしくない十分な理由

 このEF55 1は1936(昭和11)年に日立製作所で製造されたのち、東海道本線で特別急行「つばめ」「はと」といった当時の日本における花形列車をけん引。そして3両だけ誕生したEF55形は1960年代にすべて廃車されますが、この1号機だけは保存されました。

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大宮へ移動する「ムーミン」。EF55形は前後で形状が異なるのも特徴。流線形なのは片側のみ(2015年1月23日、恵 知仁撮影)。

 その後、この機関車に対する注目が高かったことから1986(昭和61)年に復活し、群馬県高崎市を拠点に上越線などを走行。大勢の乗客を楽しませたものの、2009(平成21)年にさよなら運転を実施。事実上引退していました。

 このEF55 1は太平洋戦争中に機銃掃射を受けたことがあり、その痕が残っています。また現在となってはレトロな雰囲気を感じさせる特徴的な前面形状は、昭和初期にそうした「流線形」が世界的に流行ったという事実をいまに伝えています。

 人気が高く実績もあり、歴史の証人でもある79歳の「ムーミン」ことEF55 1。鉄道博物館で今後、その歴史が語り継がれる理由は十分にありそうです。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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