東京メトロが列車位置情報などを公開しコンテスト開催 今後は「オープンデータ」提供が公共交通のサービスになる可能性も

東京メトロが行っていた「オープンデータ活用コンテスト」の結果が発表されました。ほぼリアルタイムに提供される列車運行情報などを、スマホアプリなどで活用してもらうコンテストです。東京メトロはなぜ自社でデータを使ったアプリを製作するのではなく、そうした「オープンデータ」を提供し、コンテストを行ったのでしょうか。そこにはいくつもの理由がありました。

自社でアプリを作らずデータを公開する理由

 東京メトロのような公共交通機関がこのような「オープンデータ」を提供することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 審査委員長を務めた東京大学大学院情報学環教授、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長の坂村健氏によると、こうしたオープンデータの活用は欧米では進んでおり、2012年のロンドンオリンピックではデータの公開によって、世界各国のボランティアがそれぞれの言語でそのデータ、情報を提供。交通事業者が自ら各国語で情報提供することなく、世界各国の人に公共交通の情報を伝えることができたといいます。そのため2020年にオリンピックを控える東京にとってもデータを公開、提供することには大きなメリットがあるといえるでしょう。

 データを公開することによって様々な開発者が様々な視点からデータを活用してくれる、すなわち東京メトロをより便利にする方法を考えてくれることも、大きなメリットといえそうです。東京メトロの奥社長は応募されたアプリについて、「私ども鉄道事業者には想像のつかないものが多くあった」といいます。

 また東京メトロの村尾常務は「マーケティングにも意義がある」とします。東京メトロのオープンデータを使って、東京メトロとは関係のない人、会社が制作するアプリは、言い換えれば東京メトロの利用者が求めているものだからです。

 村尾常務は「今後、鉄道会社がこうしたデータの公開をしないことが『サービスが悪い』と思われる時代になるかもしれない」ともいいます。コンテストでグランプリ、優秀賞を受賞した3組も、口を揃えるように「ほかの路線、会社もオープンデータを提供してほしい」と話していました。

 また東京メトロがアプリを自ら提供せず、データを公開しアプリを開発してもらうことについては、そうすることでアプリの開発やメンテナンスにコストをかける必要も責任も東京メトロにはなくなる、というメリットもあるそうです。

 オープンデータの提供により安全面で不安も抱く人がいるかもしれませんが、坂村教授は閉ざされた運行指令室だけでデータを扱うよりも、公開して衆人環視状態になるほうがむしろ安全である、また東京よりテロの危険が高いロンドンで問題が起きていないことを指摘しました。

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