引退迫る特急「はくたか」 いまそれを経験すべき2つの理由

車両紹介に「耳ツン対策」がある意味

 列車がトンネルへ進入すると、気圧の変化で乗客が耳に違和感を覚えることがあります。俗に「耳ツン」と呼ばれる現象です。

 特急「はくたか」が160km/h運転を行う北越急行ほくほく線は、駅などでしか列車がすれ違えない「単線」です。そのためトンネルの穴の大きさが、線路が上下2本ある「複線」より狭くなっています。また同線は全長約10.5kmの赤倉トンネルなど長いトンネルが多いほか、7割近くがトンネルです。

 この「高速走行」「狭くて長いトンネル」というのは、列車がトンネルへ突入した際に気圧変化をより大きくさせる要因で、すなわち「耳ツン」の発生を増加させる恐れがあります。

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全線単線の北越急行ほくほく線。また特急「はくたか」廃止後、その北越急行車はJR西日本へ移籍する(2013年8月、恵 知仁撮影)。

 そのため北越急行ウェブサイトにある特急「はくたか」の車両紹介には「耳ツン対策」という項目が設けられており、その車両には急激な気圧変動を防ぐ吸排気口が備えられていること、新幹線車両のように乗降用ドアを押し付けて気密性を高める構造を採用していることが説明されています。

 しかし、それで気圧変動がゼロになっているわけではありません。はたして狭くて長い単線トンネルに高速で突入した場合、どのくらい車内の気圧は変化するのでしょうか。「iPhone6」の気圧計測機能を使い、調べてみました。

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