「中国の零戦」誕生も? 予算激増、中国ステルス機

戦闘機の勝敗を決するのはソフトウェア

 戦闘機の開発において、高機動性やステルスを発揮する機体設計、そしてエンジンも重要ですが、最も核心的な要素は「ソフトウェア」です。飛行制御もレーダーも電子妨害装置も、全ての機能はコンピューター上で走るプログラムが制御しています。現代の空中戦は遥か遠方の敵機をレーダーなどのセンサーで捉え、ミサイルで攻撃を行えますから、機体の飛行性能やパイロットの腕よりも「ソフトウェアの完成度」が勝敗を決します。

 ただその開発は、決して容易ではありません。たとえばスマートフォンのソフトウェアがバグでフリーズしても、再起動すれば済みます。しかし戦闘機の場合は命に関わりますから、多数の試験機を使い、すこしずつテスト飛行を繰り返しながら機能を実装していかねばなりません。その結果、戦闘機の開発は最低でも10年の歳月と数兆円にも及ぶ多額の予算を必要とするようになりました。

 6機の存在が確認されているJ-20は現在、この段階にあるとみられます。そして2017年にも中国空軍へ引き渡され実用化・実戦配備されるともいわれますが、初飛行から6年での配備はかなり甘い見積もりです。アメリカが中心になって開発したF-35は、2006年に初飛行しながらも未だにソフトウェア開発に手間取り、実用化されていないことを考えれば、仮にJ-20が2017年に配備されたとしても、その時点での「ソフトウェアの完成度」は恐らくあまり高いとはいえないはずです。よって、すぐに日本の脅威とはならないでしょう。

 ですが、中国には潤沢な開発予算があります。今後10年、20年とソフトウェア開発経験を重ねることによって、J-20やJ-31は強力な戦闘機となりうる可能性を秘めています。

 太平洋戦争当時、「メイドインジャパン」という言葉は粗悪品の代名詞でした。しかし日本は「零戦」など世界水準の戦闘機を開発し、世界を驚かせました。「中国の零戦」誕生は、そう遠い未来の話ではないのかもしれません。

【了】

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

1件のコメント

  1. 零戦警察はまだ来てないか〜