MRJ、YS-11以上 消えゆく隠れた国産傑作機
国産飛行機といえば2015年秋の初飛行を計画している「MRJ」や、戦後初の国産旅客機「YS-11」が有名ですが、それ以外に、それ以上の受注を獲得した国産の飛行機があります。米空軍にも採用されたその飛行機の名は「MU-2」。その知られざる傑作機の姿がまもなく、日本ではほぼ見られなくなります。
アメリカ空軍も採用した日本のMU-2
その高性能による多用途性は事実、アメリカ空軍でさえF-15やMiG-29戦闘機をシミュレートする「航空戦管制用練習機」としてそれを運用していることからも証明されています。アメリカ空軍のジョー・カンニッツォ中佐は次のように語ります。
「MU-2は頑丈で信頼性、機動性に優れ、そのうえ実際に戦闘機を飛ばすよりも経済的であり、まさに航空戦管制用練習機として最適の機種です」
MU-2はアメリカ空軍だけではなく、自衛隊においても運用されています。航空自衛隊はレーダーや救命具投下用のドアを追加し、ヘリとペアを組む救難捜索機として1967(昭和42)年から29機を調達しています。
また陸上自衛隊も1969(昭和44)年より20機を導入しました。なお陸上自衛隊機のみ「LR-1」という別の制式名称が与えられており、「L」は少人数や軽貨物の輸送を任務とする連絡機としての任務を、「R」は偵察機としての任務を表します。
確か、三菱はMU-2の製造権利を米ムーニー社に売却したと聞きましたが。