ステルス機F-35、今夏にも空自受領へ 劣化版F-22は誤った認識

災害発生時にも活躍できる戦闘機

 空中戦のみならず地上の様子を映像で取得し、準リアルタイムで地上に送信することもできます。現在、航空自衛隊はRF-4E「ファントムII」偵察機を保有していますが、RF-4Eの主要なカメラはいまどき珍しい「フィルム」を使っており、地上に持ち帰って現像・印刷したのちに、必要な場所へ写真を運ばねばなりません。

 震度5弱以上の地震が発生した場合、自衛隊は自主的に情報収集を行うことができます。対領空侵犯措置のためにアラート待機中の戦闘機もスクランブルさせますが、F-15JやF-2Aはパイロットによる目視確認と音声による被害状況の伝達のみ可能で、特に夜間は何も見えずに帰還し、後続のヘリの到着を待たねばなりません。しかしF-35Aならば、初動の段階で素早く映像を取得できます。

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登場が古く、相対的な能力の低下も懸念される偵察機RF-4E「ファントムII」(写真出典:航空自衛隊)。

 F-22は空中戦に特化しており高い機動性を持ちますが、F-35Aのような多様な情報収集は不可能であり、またレーダーを使って得た情報はF-22の編隊間でしか共有できず、コミュニケーション能力に欠けています。F-35Aによって自衛隊の情報収集能力が大きく改善し、ほかの戦闘機の能力も引き上げられることを考えれば、F-35Aの導入は正しい選択であったといえるかもしれません。

 F-35Aは、今年度中にアメリカ空軍でIOC(初期作戦能力)が宣言される——簡単にいえば実用化される見込みであり、すでに垂直離着陸戦闘機型のF-35Bは実働体制に入っています。そして航空自衛隊はF-35Aを今年度中に引き渡されますが、実用化までにもう3〜4年は必要となる見込みです。

【了】

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

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13件のコメント

  1. 少しF-35をヨイショしすぎな気がします。

    F-15やF-2等の例を見ると、電子機器関係のアップグレードは技術の進歩で比較的容易であると思われますが、根本的な飛行性能は容易く向上出来るものでは無いのではありませんか?
    F-35の飛行性能がF-22よりも劣っているのは紛れも無い事実ですし、現在は見えない筈のステルス機でも将来はどうなるか解りません。
    その時に必要となるのは、基本的な飛行性能(=格闘戦性能)である気がしてなりませんが・・

    過去に置いても、現在に置いても常に数的劣勢にある日本です。
    人的にも、物的にも最優秀である事を常に意識しなければならないのではないでしょうか。

    • どっちもどっち。要求仕様の違う物を、同じ「ステルス機」だからと同列で比較する両名とも無理があると思う。F22とF35からステルス剥がせば、制空戦闘機と多目的戦闘機(マルチロールファイター)。

      単に要撃機としてはF22の方が良いのだろうとは思うけど、空自も戦闘機の区分無くしたみたいだし、対空だけでなく対艦対地もOKのマルチロール機という選択は、個人的には海に囲まれた日本にとって正しかったと思ってる。(但しF35がそれに最適だったかはコメントしない。)

  2. おさらいさん
    マルチロール機の原型となるべき機体がF-22ベースで作れたのでは? と考えています。

    元々が制空戦闘機だったF-15の発展型であるF-15Eや、F-16の発展改造型であるF-2を見る限り、戦闘爆撃機への改修や、レーダー・通信・ミサイル制御関係のアップデートは比較的容易であると思われますが、基本的な飛行性能の向上は無理に近いのではないですかね。

    勝手な想像ですが、そんな理由で自衛隊(政府?)は、まずF-22の購入を米国に打診したのでは?

  3. とりあえず、RF-4Eがまだ現役な事に驚いた。
    ファントムⅡなんて、初飛行から半世紀以上経ってるロートルの中のロートル機だよ。
    アメリカじゃ、20年も前に退役してる。
    物持ちが良いのにも程があるわ。
    まぁ、予算が桁違いに違うアメリカと比べちゃかわいそうかもしれんが。

    しかし、偵察機のカメラくらい載せ換えれないのかね?
    デジタルのスチルカメラでもムービーカメラでもいい。
    何十年も前の、フィルム使うカメラより余程小さくて軽くなると思うんだけど。
    改造しちゃダメとか?

  4. 確かに高いだけで、米空軍の要求に特化したF22を買っていたらそれこそ無駄金。
    F35は今後の航空兵力のスタンダードになるでしょうから、更に進化して行くでしょう。
    そう言う点で良い買い物ですね。

  5. 米軍は昔から採用数の少ない装備に対する議会からの退役圧力が強い。もしF-22が長く使われたとしてもF-14、A-10やF-106のように最低限のアップデートしかされない可能性が高い。歴史的に機動力よりミサイルキャリア機を欲しがる海軍型F-35Cが派生型にあるので機体が安定志向なのは仕方なく機動性に難があると揶揄されてもF-35で正解でしょう。そのうちFA-15Eのような機体構造までアップデートされた新型も出てくるでしょうし。

  6. F35は、F22に比較しては可愛そうと思う。垂直上昇能力及び旋廻能力の限界が求められる真剣勝負のドッグファイトでは圧倒的に劣ると思う。、そもそもF35に制空権を奪取する力量を求めるのは無理と考えて貰いたい。装備するレーダー装置等の最新機能を使いこなせれば共産圏の戦闘機に太刀打ちできると思う。F35の機能を100%発揮できるようにアメリカが性能を落とさず、ちゃんと100%の仕様で売ってくれさえすればの条件がつくと思う。

  7. F22一個飛行隊とF35一個飛行隊の激突を見てみたい

  8. F35一個飛行隊とF22一個飛行隊の空戦を見てみたい

  9. どんなにF-35を持ち上げてもキルレシオでF-22には勝てません。
    なにせ設計思想が違うのですから。
    今でも航空自衛隊が主力戦闘機に求めているものはマルチロール性よりも如何に少数で制空権を確保できるかです。
    自衛隊の基本戦略は中国やロシアなどの人海戦術に対して抑止力をいかに発揮するかがテーマです。
    F-22の再生産の噂があるならこちらからプレッシャーをかけるときだと思います。X-2(旧:心神)の初飛行も成功したので技術力の差が縮まったこともアピールできたと思いますし。
    F-35ありきの戦力は危険であるという意識を持ってもいいのではないかと思います。

  10. >見えない筈のステルス機でも将来はどうなるか解りません。
    >その時に必要となるのは、基本的な飛行性能(=格闘戦性能)である気がしてなりませんが・・

    空中戦の必勝法は昔からfirst look first killで、ステルスもミサイルもなかった第二次大戦だって、格闘戦なんて空中戦における特殊な状況の1つに過ぎませんでしたけどね

    格闘性能がなにより大切なら、アメリカ軍だって、F-35よりF-16やF/A-18を使い続けるでしょうよ

  11. ドッグファイト前提で考えると機体性能はとっくにパイロットの肉体限界を超えてる。コンバット機動のGを軽減する装置を強化すると重量やスペースの問題も出てくる。
    このような状況から先に捕捉し誘導弾で先に攻撃となる。
    専守防衛の空自では、先制攻撃が出来ないので敵機に気付かれる事なく背後を取りロックオンすることに特化したインターセプト機が欲しい所だろう。
    F35の利点は他機種との連携だろう。
    ミサイル満載のF15JやEの編隊と先行するF35を1ユニットで出撃して、データリンクによりF35が捕捉した敵機にF15からミサイル発射とかも可能だそうな。

  12. レーダーには写らなくても人の目に見えれば,撃可能。RPG7等で。以外とハイテクはローテクに弱い?。