『トップガン』の理想と現実 現役空自パイロットが語る“リアル”とは

映画『トップガン』を観て戦闘機乗りに憧れた人も多いと思われますが、実際にはどんな“職業”なのでしょうか。その実像について、航空自衛隊の現役戦闘機パイロットに聞きました。

戦闘機パイロットを実際に目指すには?

 原田三佐が搭乗するF-15Jは、『トップガン』の主役機であるF-14とほぼ同時期に誕生した機体です。

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那覇基地に所属する第304飛行隊のF-15J(2016年2月、関 賢太郎撮影)。

 F-14とF-15、いずれも機動性に優れた戦闘機で、特にF-15は急旋回によって最大9G、すなわち地球の重力の9倍もの遠心力が身体へかかることになります。高いGに晒されると脳への血流が阻害され、最悪の場合には失神に至ることもあるため、急旋回中のパイロットは血液が足下に滞留しないよう下半身に力を入れ、特殊な呼吸法によって失神に耐えなくてはなりません。

 原田三佐もパイロットという職業について「一見すると優雅に飛んでいるように見えるかもしれませんが、自分の限界に挑戦し、己の技を磨き続ける職業です」と話します。

「そのため常に自学研鑽し、新たな知識を学び続けます。また健康管理も欠かせません。筋力トレーニングを定期的に行って身体を作ることはもちろんですし、特に食事には気を使っています。栄養バランス、それに暴飲暴食は控えるようにしています」(原田三佐)

 では戦闘機パイロットを目指すには、どういったことを心がければよいのでしょうか。

「まずは“強い心”を持って欲しいですね。戦闘機パイロットになるためには厳しい訓練がありますので、それに折れない強い心、また戦闘機に乗って国を守る、国民を守るという強い意志が必要だと思います。そして協調心も忘れないで欲しいです」(原田三佐)

 原田三佐は戦闘機パイロットについて、「協調心」「団結心」「強い心と意思」「健康管理」が必須であり、日々の訓練によって「飛行経験」を積み「判断力」を養い、成長することができるといいます。

『トップガン』に憧れ戦闘機パイロットを目指す若者はいまだ少なくないようで、『トップガン2』公開後もきっと、多くの若者が航空自衛隊の門をたたくことになりそうです。パイロットを目指す人は、原田三佐の言葉を心に留めておくとよいでしょう。

【了】

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

3件のコメント

  1. 原田3佐の記事を読んで、やはりそうかと思いました。 実は小生も戦闘機パイロットを目指して、57年前に当時は操縦学生と呼ばれていた試験を受けましたが、航空身体検査で裸眼視力1.0の壁に阻まれて涙を吞んだ者の1人です。 しかし、航空ショーでブルーインパルスやF-15イーグルのデモ飛行を見る度に、今でも胸騒ぎやため息が出るのを抑える事が出来ないでいます。 多分、死ぬまで戦闘機パイロットとして大空を駆け巡る夢を見続けることでしょうか・・? 原田3佐の「毎日が自己研鑽の連続!」という言葉を肝に銘じて、残された人生を過ごして行きたいと思いました。 最後に、❝原田3佐、健康に十分に留意して任務に精進されることを祈っています❞ 以上

  2. 湾岸戦争で撃墜された、日系3世トップガン猫田氏を思いだす。祖先が広島出身でハワイ、カウアイ島出身の本物のF16戦闘機乗りです。 ハリウッド映画のような派手さはなくても、国のために命を捧げた彼の偉業をたたえたい。

  3. 80年代の終わり頃、出張でサンフランシスコ郊外に1ヶ月ほど滞在した時、地元で航空ショーがありました。開催日の数日前からジェット戦闘機が市街地を超低空で練習飛行しており、車の運転中に突如飛行機が視界に入り思わずブレーキを踏むこともあったほどです。ショーに参加している戦闘機パイロットは全米から集まった優秀なパイロットと聞いていたのですが、実は私が滞在していたモーテルにも数人宿泊しておりました。何と、モーテルのロビーで朝からヘルメットを小脇に抱えた飛行服姿のパイロットが数人うろついていたのです。彼らこそ本物のトップガンと思ったしだいです。彼らを見て今でも鮮明に記憶に残っている特徴が2つあります。1つは、アメリカ人にしては小柄だなという事でした。私(175cm)よりも皆、小柄でした。そして、これも皆に共通していた2つ目の特徴ですが、首が無い! 首が太すぎて無い様に見える事でした。F1レーサーも強い横Gのため首が太くなると聞いた事がありましたが、なるほどと。

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