海自の悲願! 70年越しで実現した「空母保有」なぜ挫折続いた? 真価問われるのはこれから

海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」「かが」が事実上の空母に姿を変えます。ただ、海上自衛隊は空母の保有を発足前から望んでいたとのこと。どのような経緯だったのか、70年以上かかったその歩みを振り返ります。

空母とイージス艦を天秤にかけた結果…

 海自はこの間にASW能力の向上を図るため、ヘリを複数機搭載できるDDH、艦隊防空の中核となるDDG(ミサイル護衛艦)、そしてヘリ1機を搭載できるDD(汎用護衛艦)を組み合わせた8隻の護衛艦と8機の対潜ヘリで構成される戦術単位「8艦8機体制」の構想を固めます。この構想に基づいてHSS-2B哨戒ヘリの開発と、同機を搭載するはつゆき型護衛艦の建造が行われています。

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かつてオーストラリア海軍に配備されていた空母「メルボルン」。元はイギリス海軍の空母「マジェスティック」で、アングルドデッキ(斜め飛行甲板)や蒸気カタパルトなどを装備して第二次世界大戦後に就役すると1982年まで運用され続けた(画像:アメリカ海軍)。

 ここまではASWに主眼を置いてきましたが、1970年代後半にはソ連海軍航空隊のツポレフTu-22など陸上爆撃機による艦艇への攻撃が、脅威として現実味を帯びてきました。防衛庁に設置された「洋上防空体制研究会(洋防研)」で海自は、高速で飛来するミサイルに対処するため次世代DDGとしてイージス艦の導入を求める一方、爆撃機への直接攻撃を行えるよう、イギリス製の垂直離着陸戦闘機「シーハリアー」を艦載戦闘機として運用可能な航空機搭載護衛艦(DDV)の提案に踏み切ります。

 結局このときは、こんごう型護衛艦となるイージス艦の整備が優先されたため陽の目を見ることなく終わりますが、全通甲板を備えた自衛艦の構想は生き続けることになりました。

 艦橋と煙突が一体化した構造物を右舷側に寄せて配置する全通甲板型の海自艦艇は、まずおおすみ型輸送艦で実現します。続いて2001年度から2005年度までの中期防衛力整備計画(13中期防)で護衛艦はるなの代替として、「指揮通信機能及びヘリコプター運用能力等の充実」を図ったDDHの建造が盛り込まれました。これが全通甲板を持つひゅうが型護衛艦として、2009(平成21)年3月に1番艦「ひゅうが」が、2011(平成23)年3月に2番艦「いせ」が、それぞれ竣工します。

【え、使っていたの?】かつて海自が保有した空母OKな艦載機たち(写真)

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