JR東「分かりやすい運賃にします」でなぜ“大幅値上げ”になるの? 格差を生んだ「4つの運賃区分」見直す意味 でも関西は“そんなに値上げしない”

JR東日本が発表した運賃改定では、東京エリアの「電車特定区間」と「山手線内」という二つの運賃区分が実質廃止となり、「幹線」に統合。これによって“大幅値上げ”が生じます。なぜ、いくつもの運賃区分がつくられたのでしょうか。

JR西と東で狙いが全然違う!?

 まずJR西日本が2024年5月15日、大阪環状線内の区分を廃止し、大阪附近の電車特定区間の拡大を発表しています(導入は2025年4月1日予定)。

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「大阪環状線内」の区分は山手線内に先行して2025年4月に廃止(画像:写真AC)。

 これには、国鉄以降に京阪神エリアの直通ネットワークが拡大したことなどを踏まえ、「同じレベルの輸送サービスを提供しているエリアにおいて運賃体系を統合」する狙いがあるとしています。また、一連の運賃改定は「当社の運賃収入は全体としては増収とならない想定」とも。

 一方のJR東日本は、東京山手線内と東京附近の電車特定区間の両方を廃し、幹線に統合することを選びました(導入は2026年3月予定)。

 同社はこれら区分について、「現在では他の鉄道事業者の運賃改定により、運賃格差が逆転又は縮小し、当該エリアの設定意義が薄れている」とし、これまでの多額の投資と持続的なサービス向上に対し、「一定程度のご負担をお願い」と率直につづっています。

 現行の運賃が国鉄末期に設定されたままであるというのも、とても稀有なことだと感じます。40年以上も前に設定された区分であるからこそ、現在の利用状況や景気に合わせて、変化せざるを得ないのは当然のことかもしれません。

【どういうこと!?】“大幅値上げ”になる東京近郊/“安くなる”場合もある関西(画像)

Writer:

1972年埼玉県浦和市(現・さいたま市)生まれ。雑誌「旅と鉄道」元編集長。26年間にわたる編集プロダクション、出版社勤務において、編集者として400点以上の雑誌、ムック、書籍を制作。2024年に独立。

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コメント

2件のコメント

  1. 「電車特定区間」と「山手線内」にメスを入れるのであれば是非

    300km/600km以上で変わる基本賃率の部分にもメスを入れて欲しい

    これがあるので切符計算が複雑化する

    もし長距離乗車負担で軽減したいのであれば、例えば1週間以内に使ったJRの路線距離に応じて

    マイルでキャッシュバックするとかすればいい訳で、基本賃率を変えてしまうと往復や分割よりも

    片道が安くなって、運賃が複雑化する歯止めにならない

  2. JR東日本の東京都市圏(オフピークポイントサービス対象エリア)がJR西日本の京阪神都市圏(大阪附近の電車特定区間)より高い運賃になるのですね。

    理解に苦しみます。