「グリーンランドを売ってくれ!」トランプ大統領のトンデモ発言 実は日本のビッグチャンスかも!?

トランプ大統領が就任前から、グリーンランドやカナダを取得したいと発言しています。この発言を物流の観点で考えると、その意味が見えてきます。そして、その恩恵を最も受けるのは、日本かもしれません。

中国も重視してきた北極海航路

 ここで、北極海の2つの航路が拓かれてきた近年の経緯をおさらいします。

Large 20250126 01

拡大画像

北極海の海氷分布図(画像:JAXA/国土交通省)。

・1996年、カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、アメリカによって「北極評議会」が設立

・2007年、流氷が減少し砕氷船なしで北西航路が全て通れる状態が起きる

・2016年、中国企業によるグリーンランドの旧米海軍基地施設買収を、米政府が阻止

・2017年、中国が「氷上シルクロード」構想、ロシアと北極海航路開発協力推進に合意

・2018年、「中国の北極政策」が公表。グリーンランドの空港拡張工事に中国系企業が参入しようとし、デンマーク本国や米国が警戒

・2019年、米国トランプ大統領がグリーンランド買収を提案

・2021年、中国が第14次5か年計画に「北極の実務協力に関与し、『氷上のシルクロード』を建設する」と明記、ロシア・ヤマル地域でのLNGプロジェクトに参画

・2022年、「ロシア連邦海洋ドクトリン」が改訂され、北極海を重視

・2024年、米国トランプ次期大統領がグリーンランド買収やカナダ吸収を発言

 カナダ政府は、北西航路が通る北極諸島の海峡を領海であると主張し、国際海峡とみなしている各国と論争になっています。トランプ大統領の発言は、北西航路への影響を与える意図があると思われます。パナマ運河も合わせて発言しているのも海上物流を睨んだ戦略ではないかと思えます。

北極海航路が幹線になるには、まだまだハードルが

 気候変動により北極海の氷が溶けて北極海を通りやすくなってきたとはいえ、現在の北極海航路はロシア北極海航路局(NSRA)への申請が必要で、通航船のアイスクラス(耐氷・砕氷性能)や氷の状況などから、砕氷船によるエスコートなど一定の航行許可条件が課されます。また、通航船の船長の北極海航路の航行経験によっては、アイスパイロットと呼ばれる水先人の乗船義務も生じます。

 運航可能な時期も限られ、気象海象による減速や待機もあるほか、耐氷性能をもつ船の建造費も上がり大きさも制限され保険も高くなるため、コストも時間もかかっています。さらに、信頼できる水深情報、捜索救難システム、海洋汚染などの課題もあります。なかなか困難の大きな航路になりそうですが、近道の魅力が勝るようです。

【なるほど!】トランプ大統領が北極海を欲しがる理由「北西航路」(地図/画像)

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 文中に「津軽海峡は国際海峡」とありますが、この海峡は「国際海峡」ではありません。日本政府は、津軽海峡が通過通航権の発生する「国際海峡」とならないよう、この海峡内の領海を3海里に制限し、海峡中央に、艦船が自由に通行できる公海部分を残しています。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス