露戦車が次々吹っ飛んだのは「自動装填装置」せい? 侵攻3年で大きく変化 西側戦車も“頭を狙われる”

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって間もない頃、ロシア戦車がビックリ箱のように次々吹き飛び、自動装填装置を兼ねる弾薬庫の脆弱性が指摘されました。しかし、4年目に入ろうとする現在では、その説は完全に覆ったといえます。

結局、ロシア戦車の弾薬の配置は欠陥ではなかった!

 2025年2月末で、ロシアによるウクライナ侵攻は4年目に突入することになります。この戦いの序盤に大きな話題となったのが、ロシア軍が前線に投入したT-72、T-90といった旧ソ連やロシア製の戦車です。侵攻開始以降、歩兵携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」や自爆ドローンで次々と撃破されていく映像が、世界中のメディアで度々映し出されることになりました。

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新たにウクライナの戦場に投入されたT-80BVMはトップアタック防止用のコープゲージ(鳥かご)も標準装備(画像:ウラルバゴンザヴォード)

 撃破映像が増えるとともに、いつしか、砲塔の内部に多数の弾薬を搭載する円形の「カルーセル式」と呼ばれる自動装填装置が欠陥であると報じられるようになります。そこが損傷すると砲弾が誘爆し、「ビックリ箱」のように爆発してしまうと指摘されました。果たして弾薬の位置は、戦車の弱点になるのでしょうか。

 侵攻開始当初からロシア戦車は、「ジャベリン」や自爆ドローンに、装甲が薄い砲塔上部(砲塔が車体から露出している部分)を狙われることになります。これは「トップアタック」と呼ばれます。

 この部分に被弾した戦車がビックリ箱のように吹き飛ぶ様子から、一部メディアでは「ロシア戦車はの砲塔に弾薬庫があるため、敵の砲弾やミサイルが当たるとすぐに誘爆し、ビックリ箱のように簡単に吹き飛ぶ」と報じされるようになりました。しかし、T-90やT-72に装置されている実際の「カルーセル式」自動装てん装置の砲弾は、誘爆の危険性を考慮し、砲塔下部、車体全体でいうと硬いシャーシに守られている車体底部に置かれています。

【画像】結局欧米の戦車も“屋根付き”に…これが、ウクライナで改良された車両です

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