目の前に「日本人が行けない日本」がある!“最果てのバス停”はどんな場所なのか 実際に訪れてみた
日本最東端のバス停は北海道根室市にあります。最果てを感じさせる場所であると期待して訪れてみたところ、意外な光景が広がっていました。
新たな「日本最東端の駅」からバスに乗る
日本本土で最東端にあるバスの停留所は、北海道の東南部に位置する根室半島の先端・納沙布(のさっぷ)岬の最寄りである「納沙布岬」停留所です。納沙布岬のすぐ東側には歯舞(はぼまい)諸島、北側には国後(くなしり)島というロシアが実効支配している北方領土があります。本土の“最果ての地”は一体どんな場所なのか、実際に行ってみました。
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納沙布岬へ行く根室交通の納沙布線は、JR根室本線(花咲線)の終点・根室駅前のバスターミナル(駅前ターミナル)から発車します。ちなみに「日本最東端の駅」はひとつ手前の無人駅の東根室駅ですが、2025年3月ダイヤ改正で廃止が予定されているため、それ以降はここ根室が日本最東端の駅となります。
観光案内所や物産販売所を併設したバスターミナルには2番線まであり、納沙布線は1番線に発着。2025年1月の雲一つない晴天に恵まれた平日、8時20発のバスに乗車することにしました。
入線しているバスの行先表示器を見ると「太平洋まわり納沙布岬ゆき」という表記があります。根室半島は納沙布岬を境に南海岸が太平洋、北海岸が根室湾・オホーツク海に面しており、納沙布線は南海岸を走行することを表しています。北海岸側もぜひバスで行ってみたいところですが、残念ながら定期の路線バスはありません。
車内に入るとすでに8人の乗客が発車を待っていました。そのなかにはアジア系インバウンド観光客の姿もあり、運賃を支払う仕組みがわかりづらかった様子で、しばし運転手とやり取り。理解できたようですが、インバウンド観光客は日本の隅々にまで到達しているのだと実感できる一幕でした。
定刻に出発したバスは、市役所や市立病院がある根室市内の中心を進み、根室交通有磯営業所の前を右手に見て通過。市内唯一の根室高校を通過して市街地に別れを告げると、やがて目の前に北海道らしいまっすぐな道路が現れました。その奥には、太平洋が陽光をキラキラと反射させており眩しいほどです。
友知(ともしり)停留所を過ぎる頃になると、太平洋が右手の車窓にピタリと寄り添い納沙布岬までお供します。一方、左手には広大な大地を利用する牧場の看板が散見されました。
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