どこでも見かけた北海道の「キハ40」消滅間近 3月に4路線で撤退 直角ボックス席の旅情あとわずか

全国で見られた国鉄形気動車「キハ40」。多くの線区でローカル列車に使われていた北海道でも、まもなく終焉を迎えます。昔ながらの直角のボックスシートに揺られる“ならでは”旅情が味わえるのも、あとわずかなのでしょうか。

北海道の顔「キハ40」、まもなく“ほぼ引退”?

 全国を駆け巡った国鉄形気動車「キハ40」の去就が注目されています。製造から40年以上が過ぎたこともあり、すでにJR東海・JR東日本からは退き、他のJR旅客4社での稼働両数もかなり減ってきました。

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根室本線を行くJR北海道色のキハ40(森口誠之撮影)。

 特にJR北海道については、北海道新聞が2023年11月に「2025年3月にキハ40形の定期運行を終了する計画」と報じたことで、追いかける鉄道ファンが増えてきました。

 JR北海道のプレスリリースを見ると、2025年3月のダイヤ改正以降、キハ40の定期運行は室蘭本線と日高本線で残りますが、函館本線や根室本線などではどうなるか。最期の日が迫るキハ40に乗車したうえで、JR北海道に去就を聞いてみました。

朝の函館本線キハ40 胃袋に染み渡る「かにめし」

 函館本線の函館~長万部間では、普通列車の一部でキハ40が使用されています。オススメしたいのが、長万部8時33分発の函館行き820D。陽のあるうちに3時間超の長旅が楽しめる列車です。

 森駅からのキハ40普通列車1両編成が7時58分に到着し、折り返しで函館行きになります。札幌からの特急「北斗」が到着すると、趣味の人たちが乗り換えてきます。

 ちなみに、長万部の有名な駅弁「かなやのかにめし」は駅舎内で販売していませんが、徒歩3分の直売所で朝8時から取り扱っています。

キハ40は定刻8時33分に長万部駅を出発します。市街地を出ると、左側に噴火湾(内浦湾)が広がります。

 冬晴れの朝、白い大地、そして青い海と空。車窓から穏やかな波打ち際を眺めながら、さっそく「かにめし」の包み紙を開きます。昔ながらのボックスシートでまどろみながら駅弁を食べる。鈍行列車の旅の醍醐味でもあります。

 車窓右側には北海道新幹線の高架橋の建設現場が続きます。橋脚が完成している場所もありました。一方、旧鷲ノ巣駅など廃止された元無人駅の痕跡も点在しています。この数年の合理化により、森~長万部間だけで6駅が廃止されました。北海道庁は新幹線開業後の在来線での旅客列車運行に消極的ですが、どうなるのでしょうか。

【どこ?】「キハ40」引退する線区/残る線区(地図/写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 森駅の写真で「羊蹄山」とあるけど、森からは見えない。見えるのは駒ヶ岳。