県都の悲願「ただの“岐阜IC”」東海環状道にまもなく誕生! 4月延伸区間みてきた “岐阜のストーンヘンジ”と呼ばれたワケ
2025年春に2か所で延伸する東海環状道。そのうち岐阜県内の区間では、県都の最寄りとなる「岐阜IC」が誕生します。「岐阜のストーンヘンジ」とも呼ばれていた「橋脚の森」は、特異なICへと変貌しました。
何もつかない「岐阜IC」が誕生 東海環状道
2025年春、東海環状道が三重県内と岐阜県内で延伸します。国土交通省岐阜国道事務所とNEXCO中日本が2月21日、岐阜県内の現場を報道陣へ公開しました。
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4月6日に開通するのは東海環状道の北側、山県IC-本巣IC間の約12km。その途中に設けられるのが、今回公開された「岐阜IC」です。
県内の高速道路に「岐阜(ぎふ)ナントカIC」はいくつかありますが、意外にも、何もつかない「岐阜IC」はこれまでありませんでした。
岐阜市は40万の人口を有する県都ながら、名神からも東海北陸道からもやや離れており、市内のICは2020年に開業した東海環状道の岐阜三輪PAスマートICが初めて。そして今回、名実ともに市街地の最寄りとなるICがようやく誕生します。
その場所は市街地の北側、岐阜大学の至近です。県内唯一の“高度救命救急センター”がある大学病院は目と鼻の先。NEXCO中日本 岐阜工事事務所長の藤原由康さんは、「ICと高度救命救急センターがこれほど近い場所は珍しい」と胸を張ります。
なお、市街地からは長良川に架かる「忠節橋」(かつて名鉄市内線が走っていた橋)を北上し、突き当りを左折してしばらく行くとICにたどり着きます。忠節橋から約5kmの位置です。
「ストーンヘンジ」よりスゴイ!?
ところで、この岐阜ICには「岐阜のストーンヘンジ」なる異名があるのだとか。
岐阜ICは「橋梁形式のIC」であることが珍しいポイントだといいます。いくつものランプの高架橋が弧を描いて複雑に折り重なっているのですが、これらの橋桁が架けられる以前、無数の橋脚のみが林立した状態が、あたかも石柱が林立するイギリスの遺跡「ストーンヘンジ」にたとえられたのだそう。
その橋脚は高いもので地上約30mを超えます。岐阜国道事務所の桑原良輝副所長は、「ICの両端にトンネルがあるため、高いところに本線を通さざるを得ず、橋梁形式のICになった」と説明しました。
完成したランプを歩いてその高さを実感していると、「実は地上の橋脚高と同じくらい、地下にも橋脚の基礎が伸びているんですよ」(藤原さん)というのでビックリ。地上と地下で60m近い長さの構造もあるというのです。この周辺は、橋脚の基礎杭を打つのに適した支持層(安定した地層)が地下深くにあるのだといいます。
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