米空母を強くしたのは「洋上でYouTube見られるぞ」!? それが意味するものとは 自衛隊も導入する?
海上交通の自由な流れを保護する名目で、フーシ派の拠点を爆撃したアメリカ海兵隊のF-35C戦闘機。同機の初陣を支えたのは、母艦の「リンカーン」が洋上でも、高速インターネットが使えることでした。
商用衛星群のメリットとは
ただし、外洋で「YouTube」を視聴できることも単なる娯楽ではなく、ミッションデータのアップロードと同じくらい重要です。「リンカーン」では2024年のスーパーボールをライブストリーミングで観戦できましたが、乗組員にとって家族や友人、外界とリアルタイムでつながれるネット環境は、生死に関わる任務に就くストレスを軽減し、士気と集中力の向上が期待できるのです。

「乗組員たちはこれらの接続をオフにしなければならない時を知っています。戦火に飛び込む準備はできています。それがリンカーンです」と、空母の幹部は語ります。
また空母のような大型艦になれば、F-35のミッションデータから、食料や日用品の調達まで、莫大なデータを日常的にやり取りしなければなりませんが、通信容量拡大によって艦の業務効率も劇的に向上したといいます。
アメリカ海軍の船舶通信は過去30年にわたって、国防総省が管理する高度約3万5000kmの静止軌道にある6個の通信衛星を経由していましたが、通信速度は今となっては満足できるものではありません。
一方、「スターリンク」や「ワンウェブ」のような小型衛星は、高度600km~1200kmの軌道上に約7000個が配置されており、はるかに高速で信頼性の高い接続が可能です。しかも衛星に対するハードキル、ソフトキル両方の攻撃にも耐性が高いという利点もあります。
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