いずれ首都高が貫く? 埼玉のど真ん中に残る“田んぼの迷宮” 抜け道利用が「オススメできない」その理由

首都高の埼玉新都心線を延伸し、東北道までつなげる構想の「核都市広域幹線道路」は、広大な「見沼田んぼ」を貫きます。抜け道利用が課題とされる都市部に残った貴重な緑地、どのようなエリアなのでしょうか。

一度入ると「出られないかも!?」

 こうした成り立ちを持つ土地だけに、道路の開発も、一部をのぞき農業用を目的としたものにとどめられ、ここ特有の状況がそこかしこに見られます。そのため、近接する都市部の道路を走る感覚でうっかりこのエリアに入り込むと、戸惑うことも少なくありません。

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大型車が通れないような狭い道が多いが、「14トン制限」の橋がところどころに(植村祐介撮影)

 まず見沼田んぼ内の道路で特徴的なのは、案内看板の少なさです。さらにいったん農地内の碁盤目状の道路に入り込むと、目印になりそうな建物などはありません。いまでこそカーナビやスマホの地図アプリで自車位置周辺の道路状況が確認できますが、そうしたものがない時代は「同じ景色が繰り返される迷路」だったと言っても過言ではなかったのです。

 そして日が落ちて夜になると、文字通り「真っ暗闇」になります。車道と農地とを隔てる縁石などはなく、交差点でも「どこが農地の角か」を示す手がかりはありません。そのため道路からの脱輪や、道路脇の障害物への乗り上げ、衝突には細心の注意が必要です。

 もちろん、昼間でかつカーナビやスマホのナビアプリで自車位置を確認できていたとしても、安心はできません。

 もともと、このエリアに用事のないクルマが入ってくることを想定していないためか、幅員が2mほどであっても、クルマの通行を可とし、かつ一方通行の規制がない道路もところどころに見られるからです。「規制されていないから大丈夫」と進入すると、場合によっては「こんなところをクルマが通っていいのか」と心細い思いをすることになるはずです。

【“珍物件”いろいろ!?】これが「首都高が延伸する」広大な田んぼエリアです(地図/写真)

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