いずれ首都高が貫く? 埼玉のど真ん中に残る“田んぼの迷宮” 抜け道利用が「オススメできない」その理由
首都高の埼玉新都心線を延伸し、東北道までつなげる構想の「核都市広域幹線道路」は、広大な「見沼田んぼ」を貫きます。抜け道利用が課題とされる都市部に残った貴重な緑地、どのようなエリアなのでしょうか。
無言の圧力をかける「バリア」
また主に見沼田んぼ南部に見られる、車幅制限の“バリア”にも注意が必要です。

これは高度成長期以降の開発ブームの際、産業廃棄物を見沼田んぼに不法投棄する大型ダンプなどの進入を規制するために設置されたもので、3ナンバーのクルマであればギリギリ通り抜けられるだけの幅を持っています。
ただ一般道にあるような幅を具体的な数字で示す車幅制限の標識はなく、また黄色と黒の警告色の帯が欠落したままで、コンクリートむき出しのものもあります。そのため、とくに夜間にはクルマとバリアとの接触事故が絶えません。バリアそのものの構造が強固なこともあり、スピードが出た状態で衝突すると、廃車に直結するレベルのダメージを受けることになるはずです。
このような特有の道路事情を持つ見沼田んぼですが、渋滞する幹線道路をパスする抜け道として利用する地元のドライバーは確かに少なくありません。しかし、そうした行為を真似て土地鑑のないドライバーが入り込むことは、あまりおすすめできないと言うべきでしょう。
なお冒頭でご案内した首都高埼玉新都心線の延伸部「核都市広域幹線道路」は、現時点では構想段階として、地元検討会が開催されているレベルにとどまっています。開通に向けては見沼田んぼの環境保全問題もかかわることから、まだ時間がかかると考えてよさそうですが、国土交通省は東北道の高架橋に横断幕を掲げるなどして「核都市広域幹線道路」の認知に努めています。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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