評価一変した対空戦車の後継?「ゲパルト2」ともいえる車両の映像公開 足回りはそのままに機関砲が大幅進化へ

ウクライナでの運用が想定された車両。

機関砲は1門だが性能はかなり向上

 ドイツの防衛企業であるラインメタルは2025年3月7日、短距離防空砲塔「スカイレンジャー35」を「レオパルト1」の車体に搭載搭載した対空車両の映像を公開しました。

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レオパルト1の車体に搭載された「スカイレンジャー35」(画像:ラインメタル)

「スカイレンジャー35」主に近接での、固定翼機やヘリコプター、巡航ミサイルによる空からの脅威の排除に加え、ドローンへの対抗策として開発された、複数個並ぶシリンダーを持つ機関砲である35mmリボルバーカノンを搭載した自走式防空システムです。

 既に、ボクサー装輪装甲車に30mm機関砲である「スカイレンジャー30」対空砲塔をボクサー装輪装甲車に搭載したタイプはドイツ連邦軍に納入されていますが、今回の車両は戦車である、「レオパルト1」の車体に35mm機関砲を乗せたタイプで、ドイツほか数か国から供与された「レオパルト1A5」を使用しているウクライナ軍向けに、相互運用を想定した車両でもあるようです。

 同国には既に対空戦車で同じレオパルト1車体を流用した「ゲパルト」が供与され、旧式車両でありながら、ドローン攻撃からの防空の要として再評価されています。

 今回公開された「スカイレンジャー35」も「ゲパルト」と同様にレオパルト1の車体を使用しており、まさに次世代の「ゲパルト」ともいえる車両です。1門で毎分1000発の砲弾を発射可能な機関砲に加え、レーダーと連動し自動追尾する砲塔を持ちます。さらに、砲弾もAHEAD弾というターゲットの直前に多数の子弾を放出するエアバースト弾を使用可能となっており、ドローンのような小型な目標でも高確率で撃墜することが可能です。

 当初、ラインメタルこの車両のうち、10両程度を2024年末までにウクライナに輸送する予定と発表していましたが、ウクライナ軍が同車両を使用して何らかの防空戦を行ったという報告は今のところありません。

【画像】ウクライナで評価一変! 対空戦車「レオパルト1」

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