だから旅行会社は「鉄道」に力を入れる! プロの手腕を競う「鉄旅オブザイヤー」まもなく決定 三方良しの“神企画”とは

優れた鉄道旅行を表彰する2024年度の第14回「鉄旅オブザイヤー」の部門賞が2025年4月1日に発表されました。旅行会社がプロとしての“腕”を競うグランプリを通じ、鉄道旅行そのもののトレンドが見えてきます。

グランプリは一騎打ち?

 部門賞を事前に発表し、グランプリを授賞式当日の決選投票を決めるようになった2020年度以降、筆者はラジオ番組または連載コラムでグランプリを予想しています。うち、20~22年度すなわち75%を的中させました。

 2024年度は、DC部門賞にノミネートされている日本旅行の「北陸三県をつなぐ一万三千尺物語紀行」か、鉄ちゃん部門賞の読売旅行「ひたちなか海浜鉄道キハ205『最初で最後』の夜行列車」のどちらかが受賞すると見込んでいます。

 これらの商品は三拍子そろっており、「今でしょ」と呼ぶべきタイムリーな企画なのが決め手です。富山県の第三セクター鉄道「あいの風とやま鉄道」の料理を味わえる列車「一万三千尺物語」を北陸三県で運行したツアーには、募集人数の4倍弱に当たる449人が応募し、能登半島地震からの旅行需要回復に一役買いました。

 一方、ひたちなか海浜鉄道の旅行商品で貸し切ったキハ205は、1965年に製造された「ほぼ還暦」の車両です。退役を控え、惜別の思いを抱えてじっくり乗車したいという愛好家のニーズをくみ上げたと受け止めています。

 オンライン旅行代理店(OTA)の拡大に押されて大手旅行会社でも生き残りが厳しくなる中で、鉄旅オブザイヤーの受賞ツアーは「旅行のプロ」ならではの鋭い視点を生かした企画を世に出せば、収益を得ながらも顧客満足度を高めることができ、能登半島地震といった自然災害の被災地の復興を後押しして地域経済を盛り上げられると証明しています。こうした好企画に追随し、優れた旅行商品が続々と世に出ることを強く期待しています。

 筆者は勤務先の福岡支社、ワシントン支局に赴任していたため2018~23年度の授賞式は残念ながら欠席しましたが、24年度は7年ぶりに出席する予定です。プレゼンテーションもしっかりと拝見して評価した上で、決選投票で納得のいく1票を投じたいと思います。

【マジで!?】ツアーで「夜行列車」になった激レア気動車(写真)

Writer:

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。

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