日本じゃ知名度ゼロ「長靴の国」から来た超名門メーカー“七転び八起き”の歴史とは?

2「第52回東京モーターサイクルショー」に、とあるイタリアメーカーが二輪車を展示していました。歴史ある名門ながら日本ではほぼ無名のメーカーが辿った、紆余曲折の歴史を振り返ります。

創業停止から紆余曲折を経て21世紀に復活!

 解散から20年あまり経った1999年、ボゼリ家がブランドの使用権を認めたことで、イタリアの新聞王ロベルト・ジレッティがF.Bモンディアルを復活させます。彼は過去の経緯からホンダが供給してくれた「VTR1000 SP-1/2」用エンジンを搭載した「ピエガ1000」を開発し、2000年に販売を開始しますが、150台ほど生産したところで事業は破綻。再びブランドは休眠期に入りました。

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モンディアル「SMX125エンデューロ」(山崎 龍撮影)。

 2014年、創業者の子孫であるピエルルイジ・ボゼッリ伯爵と、元ファンティックの技術者であり実業家のチェーザレ・ガッリの両名は、タッグを組んでF.Bモンディアルの復活プロジェクトを始動。彼らは最初にカフェレーサーをデザインし、自社設計したフレームにピアジオ製のエンジンを搭載したミニバイクを開発します。

 これが同社の主力モデルで現在も販売が続く「HPS」シリーズです。生産はピアジオの中国工場に委託されています。

 日本国内での流通については2025年3月現在、愛知県のIBSが正規代理店として輸入・販売を行っています。そのため、今回の「第52回東京モーターサイクルショー」では同社が、F.Bモンディアル製の中・小型バイクを展示していました。

 IBSは大小6種類のモンディアル製バイクを展示していました。すべて排気量125ccですが、ネオクラシックスタイルの「HPS125/HPS125 Ubbiali Edition」、同モデルをベースにクラシックレーサー風に仕立て直した「パガーニ1948(スポーツクラシック125)」、同じくHPS125をベースにダートトラッカー仕様にした「フラットトラックレーサー125」、ストリートファイター仕様の「ピエガ125」、エンデューロマシンの「SMX125エンデューロ」、レトロスタイルの「スパルタン125」と、バラエティに富んでいました。

 まさしく、初心者からベテランまで誰もが楽しめるラインナップと言えるでしょう。

 21世紀に復活したF.Bモンディアルは、イタリア車らしいスタイリッシュなデザインと歴史に裏付けられたブランド力を持ちながら、リーズナブルな価格設定が大きな魅力です。

 名門とはいえど日本ではほぼ無名の二輪メーカーであるモンディアル。せっかく正規の輸入代理店が存在するのですから、バイク好きなら一度触れてみて欲しいブランドのひとつです。

【ホンダ製エンジンを搭載】たった150台のみ 激レア「モンディアル」です(写真)

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

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