F-35なんて要らない!「アメリカ兵器離れ」トランプ氏の“懐柔策”で止められるか 日本にとってはいい話?

アメリカのトランプ大統領が自国兵器の輸出に関する事務手続きを簡略化します。各国に関税を課して貿易摩擦を是正しようとするなか、兵器輸出は推進したい考え。しかし、もはや「時遅し」かもしれません。

「関税上げたら戦闘機買えないですよ!」

 さらに、トランプ政権は世界各国に対して大きな関税を課す方針を示しています。これもアメリカ製兵器離れに拍車をかける可能性がありそうです。

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陸上自衛隊のAH-64D戦闘ヘリコプター。機体上部のロングボゥレーダーのカバーの調達に時間を要したとの話もある(画像:陸上自衛隊)

 フィリピンはアメリカからF-16V戦闘機の導入を決定し、アメリカ政府も輸出を承認していますが、同国のホセマヌエル・ロムアルデス駐米大使は4月10日に、トランプ政権が当初の発表通りに関税の税率を引き上げればフィリピン経済は悪化し、F-16Vの調達に支障が生じるとの懸念を示しています。

 4月25日付の「ニューズウィーク」は、アメリカの防衛関連分析サイト「19FortyFive」の記事を引用する形で、ベトナムとアメリカとのF-16戦闘機の導入交渉が妥結間近と報じています。ニューズウィークが引用した19FortyFiveの記事は、ベトナムがF-16を導入することになっても、適当な中古機が無いことから、高性能であるがゆえに高価なF-16Vになるとの見解を示しています。

 フィリピンに比べれば経済的には安定しているとはいえ、仮にアメリカが当初の発表通りベトナムに大きな関税を課せば、ベトナム経済は悪化しますので、高価なF-16Vをベトナムの希望するだけ導入できる可能性は低くなると考えられます。

 兵器を海外へ輸出して国内防衛産業を活性化するというトランプ政権の考え方は合理的だと思いますが、外交政策と経済政策を修正しなければ、FMS事務手続きの簡略化だけで防衛産業を「グレートアゲイン」とするのは、なかなか厳しいのではないかと筆者は思います。

【笑うステルス機!?】コンペで敗れたF-35試作機のヤバすぎる見た目(写真)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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