道路公団民営化にある明暗 NEXCOに比べ難しい都市高速、その未来は

高速道路会社6社の平成28年3月期決算が発表されました。NEXCO3社は順調で道路公団の民営化は「大成功」といえそうですが、都市高速――首都高と阪神高速の将来には、大きな懸念がありそうです。

首都高、阪神高速は「売上より高い家賃」に? この先にある大きな懸念

 ところが高速道路保有機構は、首都高および阪神高速の料金収入(≒交通量)について、今後しばらく増加を続けることを予定しています。

 首都高は2030年度をピークに、現在に対して料金収入が32%増となり、貸付料は40%アップの年間2866億円が予定されています。この金額は、昨年度の年間料金収入(2555億円)を大きく上回るもの。つまり「家賃が売上より高い」ということになり、払えるはずがありません。阪神高速も、同じく2030年度には料金収入が現在の28%増と予定されています。

 NEXCO3社やJB本四高速の交通量は今後、ほぼ横這いのまま減少へ転じる計算なのに、首都高と阪神高速だけこのような右肩上がりが予定されているのは、まったく理解に苦しみます。いずれ見直さざるを得ないでしょう。

Large 20160703 01
2017年度中に東関東道、首都高湾岸線方面と常磐道、東北道方面が外環道で結ばれる予定(画像出典:国土交通省関東地方整備局)。

 ただ、高速道路会社に関する経営不安は、現在のところこの点だけ。低金利という追い風が続けば「家賃(貸付料)据え置き」のままでも、予定の期限(2065年度)までに冒頭に述べた「借金」の完済は可能と思われます。

【了】

Writer:

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス