機体から「レーザー出します」なんのため? 武器としてではない画期的な使い道とは?
50時間を超えるテストで有効性を証明。
ピラタスPC-12ベースの実験機
アメリカ航空宇宙局(NASA)は2025年4月25日、空中レーザー通信用の実証試験機(テストベッド)が50時間を超えるテストに成功したと発表しました。

今回の実験で使用した航空機搭載レーザー通信テストベッド(ALCT)は、既存の航空無線周波数(RF)通信を補完するために設計された、高データレート通信システムの研究プラットフォームになります。
ピラタスPC-12をベースとしたこのテストベッドは、通常の通信システムに依存せず、、ギガビット級のデータ伝送を実現するために作られました。
レーザー通信は、光を利用してデータを伝送する通信方式であるため、指向性が高く、広帯域通信が可能で、水中や宇宙空間での運用でも適していると言われており、高速データ伝送、電波妨害に強いなどの利点があります。
また、レーザー光は発射機が向いた特定の方向にしか伝送されないため、傍受や検出などの対策が容易などセキュリティ面でも優秀さも注目されています。
テストベッドなどを使用した飛行試験は2019年から2025年初頭にかけて実施されるとのことで、NASAの開発したレーザー通信システムが長距離で堅牢なデータリンクを維持できます。また地上との通信だけではなく、空中での相互通信による長距離にわたる安定したデータリンクの能力の実証済みとのことで、最大通信範囲は約60kmになるそうです。
NASAは今回の実証実験により、レーザー通信が既存の通信手段を補完する有効な手段だと確認されたと発表し、都市型航空モビリティや次世代航空通信に向けた大きな前進だとしています。
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