特撮機体みたい“異形のステルス輸送機”風洞実験が完了 滑走路なしでどうやって飛ぶの?
機体の胴体に大きな秘密が?
風洞実験が終了! いよいよ実機設計へ
ボーイング傘下のオーロラ・フライト・サイエンシズ(オーロラ)は2025年4月29日、開発中のステルス垂直離着陸輸送機の風洞実験を完了したと発表しました。

同機は、「Xプレーン」アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)が提案した高速垂直離着陸(HSVTOL)航空機で、「速度および滑走路非依存技術(SPRINT)」の研究の一環として開発されている機体です。2027年の飛行試験を目指しています。
機体内にリフトファンを装備し、全翼機のようなフォルムが特徴で、レーダーなどに映りにくいステルス性のある有人機体を想定しています。
任務としては、大規模災害や敵性勢力の妨害などで従来の滑走路が使えないときの空輸や人員回収を想定しており、450ノット(約833.4km/h)の巡航飛行が可能です。
今回の風洞実験は20%のスケールモデルを使用し、特に垂直飛行から前進飛行への重要な移行段階における低速操縦特性に関する有用なデータを収集したとのことです。この実験で得られたデータは、コンピューターモデルの検証、フライトシミュレータ用データ提供、そして実機設計のための貴重なデータとして活用されます。
風洞実験が成功に終わったことに関してオーロラのマイク・カイモナ社長兼CEOは「実験により我々の解析予測が裏付けられました。風洞実験が成功裏に完了したことで、プログラムは詳細な設計フェーズに進む準備が整いました」と発表しています。
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