角ばった「ゼロ戦」ついに空へ! シリーズの希少モデル 飛ぶ様子を動画で公開

復元ではなく新造。だから飛べます。

アメリカ軍が別機種と勘違いしたモデル

 アメリカにある「MILITARY AVIATION MUSEUM(ミミリタリー・アビエーション・ミュージアム)」は2025年5月6日、レストアした「ゼロ戦」が初飛行したと発表、その様子を動画で公開しました。

Large 20250507 01

拡大画像

ミリタリー・アビエーション・ミュージアムが初飛行させた新造の零戦32型(画像:MILITARY AVIATION MUSEUM)。

 この博物館がレストアしたのは「A6M3」、第2次世界大戦中に旧日本海軍が使用した零式艦上戦闘機、通称「零戦」の32型になります。

 零戦32型は、各型合計で1万機以上が造られた零戦シリーズのなかで唯一、主翼端が角型のモデルです。ゆえに登場当初、アメリカ軍は別機種と認識しており、「Zeke」という零戦識別用のコードネームとは別に、32型にだけ「Hamp」という名称を付与していました。

 生産数は343機とほかのタイプよりも少ないため、現存する零戦32型は、これまで福岡県筑前町の町立大刀洗平和記念館で展示・保管されている機体が世界で唯一といわれていました。

 このたび初飛行に成功した零戦32型は、ワシントン州エバレットのレジェンド・フライヤー社が、リバース・エンジニアリングで組み立てた新造機になります。リバース・エンジニアリングとは、現存する残骸などから部品ひとつひとつの形状や寸法を割り出し、新たな部材を複製し、それを組み立てて新製することです。

 第2次世界大戦中に製造された残存機をレストア(修復)したわけではないため、前出の大刀洗平和記念館に残る実機とは性格が異なるものの、新造機であるため飛行が可能なのがメリットになります。

 事実、エンジンについては取得しやすく整備部品なども豊富にあるプラット・アンド・ホイットニー(P&W)製の空冷星型エンジンを搭載しています。

 博物館では、1945年以来初めて飛んだ零戦32型であり、飛行可能な希少モデルであるとのこと。また「私たちは数十年にわたる夢の集大成を目にしました。目撃したすべての人にとって魔法のような瞬間でした!」と公式WEBサイトに明記していました。

【画像】これが福岡県に残るレア機「零戦32型」です

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 日本では出来ない。