世界初! 再利用可能な“極超音速無人機”の実験成功 実は運ぶ機体も「世界最大」どんな用途で使う?
2度の実験で帰還し、再利用できることを証明。
完全自律型の実験機
アメリカ国防総省は2025年5月5日、完全自律型の極超音速実験機「タロン-A2」 の極超音速飛行と回収が成功したと発表しました。

タロン-A2は、国防総省が計画したマルチサービス拡張機能極超音速テストベッド(MACH-TB)です。機体開発は、空中発射ロケットによる宇宙輸送を行うストラトローンチ・システムズ社が担当しています。
実験は2025年3月に実施。タロン-A2は母機から射出後、マッハ5という極超音速に到達し、その後、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地に着陸しました。
2024年12月にもタロン-A2は極超音速飛行と機体回収に成功しています。今回の記録により同機は、世界初の再利用可能な自律飛行する極超音速飛行機体となりました。また、極超音速実験機としても1968年に退役したX-15以来となります。
同機は、極超音速ミサイルなど、従来の防空システムでは迎撃困難な兵器の脅威を擬似再現するための実験機体として期待されています。
なお同機は、母機で高度1万m以上に運ばれ投下された後に自律飛行に入りますが、輸送を担当する母機の「ロック(Roc)」も特殊です。飛行機としては世界最大となる約117mの全幅を持ち、1つの機体に2つの胴体がついた「双胴機」のスタイルが採用されています。
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