路面電車と地下鉄で「道路トンネルをサンド!?」 明治通りの“バイパス”どこまでできた? 「池袋駅大改造」のカギに
池袋付近で、地下が道路トンネル、地上が「側道と都電」セット、その下を走る地下鉄も含めると3層構造となる道路の建設が進んでいます。明治通りのバイパスであり、池袋駅前「大改造」のカギを握る路線です。
トンネルの“出口”は完成済み! 「入口はどこ…?」
まず学習院下電停から千登世橋付近までの「1工区」です。ここは明治通りを拡幅し、中央線側に外回りと内回り、合計2車線のトンネルの出入口を構築することになっています。

そのスペースを確保するため、明治通り現道の外回りは今後、やや西側にオフセットされます。現在は歩道のみが西側に移設され、車道が通るべき場所は用地こそ確保されているものの、本格的な移設はこれからという段階です。
千登世橋の北側では、大きく掘り込まれた地盤の中央で、鉄骨に仮受けされた都電の線路が走るさまを、地上から目視できます。
つぎに千登世橋付近から「東通り」との交差点付近(都電雑司ヶ谷電停付近)までの「2工区」です。この工区では、地上を走る荒川線を仮線に移設もしくはいったん仮受けして、その下に道路を通すという複雑な工程での工事が進められました。
この道路の中央部分は工事のフェンスで囲まれ、工事現場そのものは見通せません。ただボックスカルバートによるトンネルの躯体構築はすでに終了しているとのことで、今後は都電荒川線の本線への復帰および道路の整備が進められるものと思われます。ちなみにここまでの区間は、地上が都電と環状第5の1号線の側道、その地下に環状第5の1号線の本線、さらにその下に東京メトロ副都心線のトンネルという3層構造となります。
地上部については「鬼子母神前」電停から「都電雑司ヶ谷」電停まで、多くの区間で供用がはじまっていますが、両端が主要道路と接続していないため、交通量はきわめて少なく、地域内に配達する宅配便のトラックが目立つ状況です。
東通りとの交差点からは、都電は右(東)にわかれ、「補助第81号線」の整備予定地を通過して「東池袋四丁目」電停方面へと走ります。対して環状第5の1号線は左に進み、豊島区役所前を通過すると、グリーン大通りとの交差点です。
前述の通りトンネル躯体の工事はすでに終了し、工事のフェンスの隙間から開口部を目にすることができます。そして周辺では、開通後を見すえ、高層ビルの建築が進んでいました。
このように全体的には順調に工事の進む環状第5の1号線ですが、事業の認可期間は2028年3月までとなっているものの、完工までにはまだ時間がかかりそうです。
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