WW2に実在した“クマの兵士” 動物なのにガチで人間扱いの「一般兵」となった理由とは?

人間が戦場で使役する動物とは一線を画し、一兵士として人間と同等に階級を持ち、戦場で働いた“人間以外の兵士”がいます。それが「ポーランド軍の英雄」と呼ばれたヒグマのヴォイテクです。

戦後はイギリスで余生を過ごす

 戦後ヴォイテクは、スコットランドのベリックシャーに移送され、他の隊員と共にしばらく行動を共にしました。その後、1947年11月15日にヴォイテクはエディンバラ動物園に預けられることが決まり、そこで余生を過ごすことになります。しかし必ずしも仲間に置いていかれ、孤独だったという訳ではありません。

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動物園に預けられた後のヴォイテク(画像:帝国戦争博物館)

 実は、イギリスやアメリカと共に北アフリカや西欧で戦ったポーランド人部隊の将兵の多くは、戦後の東西冷戦によりポーランドがソ連寄りの共産主義国家になった映鏡で微妙な立場におかれ、祖国に帰還できなくなってしまいました。

 そのため、イギリスに残り、ヴォイテクに会いに行く戦争当時の戦友もいたといいます。ヴォイテクはかなり記憶力のよいクマだったそうで、戦友が顔を見せポーランド語で話かけると、再会を喜んで反応していたといわれています。

 そして現地での人気も高く、すぐに地元の民間人や報道関係者の間で話題となり、ポーランド・スコットランド協会の名誉会員となったほか、イギリスの公共放送局、BBCの制作した子ども番組にゲスト出演したこともあります。

 ヴォイテクは1963年に21歳で亡くなりましたが、ヴォイテクの功績は現在でも伝えられており、ポーランドのクラクフ旧市街の近くにあるヘンリカ・ヨルダナ公園には今も彼の銅像が建てられるなど、英雄クマとして、ポーランドの人々に愛されています。また、もちろんイギリスにもその功績が広まっており、ダックスフォード帝国戦争博物館や飾り額が、ロンドンのシコルスキ博物館には記念碑があります。

【ホ、ホントに部隊マーク】これが、ヴォイテクをモデルにした部隊マークです(写真)

Writer:

なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。

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