トランプ大統領に知って欲しい! トヨタパワー使っても売れなかったアメ車たち「非関税障壁のせいにしないで」

ひと口にアメリカからの輸入車といっても、日系メーカーがアメリカで手掛けたものや、提携先のアメリカメーカーで製造されたOEM車も含まれます。そんな日系ブランドのアメ車から5車種を紹介します。

お値打ち価格だったが振るわず……

 トヨタが扱ったアメリカ車では、「キャバリエ」「ヴォルツ」「アバロン」を見てみましょう。

有名タレント使っても上向かず トヨタ「キャバリエ」

 1996年に登場したトヨタ「キャバリエ」は、GM製のシボレー「キャバリエ」をベースに、日本市場向けにカスタマイズしたDセグメント車です。ステアリングやウインカーレバーの配置を右ハンドル仕様に変更して、トヨタが自社基準に合わせて品質面の向上を図りました。パワートレインは2.4リッターの直列4気筒DOHCエンジン+4速ATの組み合わせで、ボディバリエーションは4ドアセダンのほかに2ドアクーペも用意されていました。

 トヨタは年間販売目標を2万台とし、新車価格を149万円からと安価に設定しました。しかし、もともと北米市場では廉価なコンパクトカーとして販売されていたこともあって、日本では「車格の割に質感がチープ」として販売は伸び悩みます。アメ車好きのタレント・所ジョージ氏をCMキャラクターに起用して巻き返しを図ったものの販売は上向かず、2005年に販売終了。1996年以降の累計販売台数は3万6228台にとどまりました。

今だとカッコいいかも… トヨタ「ヴォルツ」

 「キャバリエ」の失敗を受け、トヨタは2002年に人気ジャンルのクロスオーバーSUVの「ヴォルツ」を日本に輸入。ネッツ系の販売チャンネルにて「スプリンターカリブ」の後継として販売しました。

 GMとの合弁会社だったNUMMIで開発され、姉妹車にはポンティアック「ヴァイブ」やトヨタ「マトリックス」があります。カリフォルニア州のフリーモント工場で生産され、日本市場向けに右ハンドル化などのローカライズが施されました。北米ではエッジの立った外装が若年層を中心に人気となりましたが、日本ではアクの強いデザインとして敬遠されて販売は振るわず、デビューからわずか1年9か月で販売を終了しました。

全長5m級! トヨタ「アバロン」

 1995年に日本で販売を開始した「アバロン」は、北米トヨタが現地生産していた最上級セダンです。全長4.8mを超える大型乗用車でありながら、FFレイアウトを採用して広々としたキャビンを実現し、トヨタのフラッグシップ「セルシオ」に勝るとも劣らないと評価されました。

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アメリカ市場向けに開発され、北米トヨタが現地生産した最上級セダンの「アバロン」。期待したほどのインパクトを残すことはできなかった(画像:トヨタ)。

 しかし、当時のトヨタは中・大型セダンのラインナップが充実しており、「クラウン」や「マークII」3兄弟といった国内生産車に加え、同じく北米から輸入された「セプター」や「ウィンダム」なども販売されており、「アバロン」は存在感を発揮できずに埋没してしまいました。2000年には2代目「アバロン」を「プロナード」の名称で登場させますが、こちらも人気を掴むことなく国内では2005年に販売を終了しています。

【写真】よく売ったな! わずか2年足らずで打ち切ったトヨタ車です

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