トランプ大統領に知って欲しい! トヨタパワー使っても売れなかったアメ車たち「非関税障壁のせいにしないで」
ひと口にアメリカからの輸入車といっても、日系メーカーがアメリカで手掛けたものや、提携先のアメリカメーカーで製造されたOEM車も含まれます。そんな日系ブランドのアメ車から5車種を紹介します。
他社には「あえて左ハンドルのまま」でヒット作も
日本メーカーの純正モデルという扱いながら、あえて左ハンドル車として販売されたものにホンダ「アコード」や三菱「エクリプス」などがあります。
当初は左ハンドル!? ホンダ「アコードクーペ/ワゴン」
アメリカ生産の日系ブランド車のなかで、数少ない商業的な成功例となったのがホンダ「アコード」シリーズです。主力の4ドアセダンは日本で生産されていたものの、1985年に登場した3代目以降について、派生モデルのクーペやステーションワゴンはオハイオ州のホンダ工場で生産されていました。
アメリカ生産の「アコード」の元祖は3代目セダンをベースにした「アコードクーペ」で、左ハンドルのまま輸入されました。続く4代目では、1990年にクーペ、翌1991年にワゴンが販売され、このモデルから右ハンドル化されました。5代目は、国内生産のセダンから1年遅れとなる1994年にクーペとワゴンが登場。これが最後のアメリカ生産モデルとなります。当時の日本はステーションワゴンブームの真っ只中だったこともあり、ヒットにつながりました。
スタイリッシュだったが不発に… 三菱「エクリプス」
1989年に三菱「スタリオン」の後継として、FF&4WDのスペシャリティクーペ「エクリプス」がアメリカで登場し、日本にはそのデビューから1年遅れで上陸しました。
当時は今とは違って左ハンドル車がステータスシンボルと見なされていたため、左ハンドルでありながらも販売は好調でした。続く2代目は日本には1995年に上陸し、クーペのほかにオープンモデルの「スパイダー」も販売されました。3代目はアメリカデビューから5年遅れの2004年に登場したものの、輸入されたのは4速AT&左ハンドルの「エクリプス・スパイダー」のみ。販売期間はわずか1年6か月で、販売台数もごくわずかにとどまりました。
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「日本ではアメ車は売れない」とよく耳にしますが、日本メーカーが企画開発に携わり、日本ブランドのバッジ(エンブレム)がついたアメ車でさえも日本市場での成功は難しいようです。その背景にはボディサイズや排気量、ハンドル位置の違い以上に、日米のクルマに求めるニーズの違いが影響しているのかもしれません。
Writer: 山崎 龍(乗り物系ライター)
「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に
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