建造中に搭載機が1.5倍増!? 「違法建築っぽい空母」なぜ生まれた? 軍縮条約に翻弄された孤高の小型空母

ワシントン海軍軍縮条約で、空母建造が約8万トンまでに制限された旧日本海軍は、条約制限外である1万トン以下の空母を充実させようと、空母「龍驤」の建造を開始します。その後も、軍縮条約に翻弄された「龍驤」とはどのような空母だったのでしょうか。

実用的な小型空母として、のちの空母に影響

 1936(昭和11)年に第二次改装を終えた「龍驤」は、排水量が1万2600トンに増加(諸説あり)。ようやく小型空母として本格的に活動できるようになります。それでも「龍驤」の性能は不十分と見なされ、艦長からは「飛行甲板を25m延長して、無風状態でも艦載機が運用できるようにすべき」との改善要望が出されています(「龍驤」の飛行甲板長156.5mは日本空母最短)。さらに「エレベーターサイズ不足」「上部格納庫の拡大」も要求されていますが、実現できませんでした。

 二段式格納庫を持つ「龍驤」は、太平洋戦争中の小型空母でも搭載艦載機は多いほうでした。戦闘機22機、艦上攻撃機16機を搭載可能であり、これは同時期の小型空母「瑞鳳」の戦闘機16機、艦上攻撃機11機よりもかなり多いものでした。

 太平洋戦争中の「龍驤」は、フィリピン空襲やダバオ・スマトラ・ジャワ攻略、インド洋作戦、アリューシャン作戦などに従事しました。1942(昭和17)年の第二次ソロモン開戦で、アメリカ軍の攻撃を受けて沈没しましたが、初めての実用的な小型空母として、その後の小型空母の発達や運用に大きな影響を与えました。

【写真】運命に翻弄された小型空母「龍驤」

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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