アメリカが発表した未来の戦闘機「F-47」どれほど凄いのか「超カッコイイ完成予想図」出さない理由とは?
アメリカのトランプ大統領が次世代戦闘機「F-47」について、ボーイング社が開発・製造を行うと発表しました。とはいえ、どんな性能を持つ飛行機なのか、いまひとつ判然としません。どれ程の高性能なのでしょうか。
どんな性能だと第6世代戦闘機に認定されるの?
アメリカ空軍では、F-47を「第6世代戦闘機」に位置付けています。しかし「第6世代戦闘機」の定義はいまだ公式で発表されておらず、また国際的な共通認識さえありません。

推測であれば、第6世代戦闘機に必要な能力は、ステルス性能、超音速巡航、ネットワーク中心戦、無人戦闘機との連携、AI搭載による意思決定支援などと考えられるものの、いずれも「第5世代戦闘機」の延長線上にすぎず、何が第6世代戦闘機の決定的条件であり、どれがオプションなのかハッキリしていないのが現状です。
一例を挙げると、F-22がデビューした際、第5世代機として「ステルスと機動性、ネットワークの融合」を象徴したような、明確な基準が全く欠いています。
現時点で最も現実的な推測は、F-22やF-35よりも長い航続距離、大搭載力を有し、おそらく従来のドッグファイトを想定した機動性ではなく、センサーやネットワークの中核となり電磁スペクトルを制するものとして、「空のノード」としての機能を重視した情報の司令塔になれる戦闘機が第6世代機になるのではないでしょうか。ただ、そこに目新しさはないのが実情です。
なお、名称の「F-47」には、現職の第47代アメリカ合衆国大統領、ドナルド・トランプへのオマージュともう1つ、第二次世界大戦の傑作戦闘爆撃機P-47「サンダーボルト」の伝統を継ぐものという意味合いが盛り込まれているようです。しかし、実機が全く存在しないうちに早々と命名されたことは極めて異例とも言えます。
まだまだ実用化への道のりは険しいものとなると考えられますが、実現したならば、この機体は、今後数十年にわたり、空軍戦闘機群の主力としてF-35と並んで活躍する可能性が高いでしょう。
F-47NGAD(次世代航空支配)は、何を制するのか、どうやって支配するのか、何を捨て、何を継ぐのか。その姿は現在のところ全くの不透明です。結局、モヤっとした画像しか出さないのは、その性能やコンセプトがいまだ定まっていないからなのかもしれません。
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
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