JR東のタイムセール「取れた!」→ぬか喜びでした… サーバー落ちに泣かされた実態 問題の“構造”とは?
JR東日本が初めて「新幹線eチケット」のタイムセールを実施しました。販売の状況はどのようなものだったのでしょうか。
「サーバー落ち」も仕方ない使い勝手
ただ今回、トクだ値60%オフの“争奪戦”を経て感じたのは、やはりえきねっとの使い勝手の悪さです。

こうしたセールでは、利用者の多くが「どの列車なら60%オフのきっぷを買えるのか」を主眼に購買行動をとるのではないかと思われます。しかしえきねっとは「時間帯→列車→きっぷの種類」という申し込みフローのため、階層を深く進まないと「60%オフのきっぷが残っているのかいないのか」の確認ができません。
そして60%オフが売り切れていると、また別の列車の状況を確認するため、同じ手順を踏むことになります。そのたびに生まれるサーバーへのリクエストが負荷となり、エラー頻発の一因となったとも考えられそうです。
今回のセールによるアクセス集中が落ち着くまで、えきねっとは不安定な動作が続き、セールとは関係のないきっぷの購入・変更などのためにえきねっとを利用しようとした人にも大きな影響が出ました。
JR東日本はこの自体を受け、5月23日(金)に予定していたトクだ値60%オフ第2弾の発売を延期し、方面別に3回に分けて実施することを発表しました。
しかしこのあくまで“付け焼き刃”的な対応では、より大きなタイムセールを実施することになれば、今回と同様の事態の再発があり得るのではないでしょうか。
理想としては、こうしたセールでの運用も想定した「割引運賃から列車を探す機能」の実装が望まれます。それが無理なら、JAL(日本航空)が採用する「タイムセール向けの仮想待合室」、つまりセール開始時刻前にアクセスした人に対し、一定の人数だけを申し込みフローに移し、サーバー負荷を軽減するという仕組みの導入が望まれるところです。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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