16年ぶり! 新たな自衛艦「あかし」進水 ミサイルも大砲もないけど超重要な存在 どこに配備?
海洋国家の日本にとって、なくてはならない艦艇です。
海自初の海洋観測艦も同名でした
山口県下関市にある三菱重工下関造船所 江浦工場において2025年5月29日(木)、防衛省・海上自衛隊向けとなる新たな海洋観測艦の命名・進水式が実施されました。

「あかし」と命名された同艦の主要目は、全長113.7m、幅17.8m、深さ9.2m、基準排水量は3500トン、乗員数は約90名です。機関型式はディーゼル電気推進(旋回式推進装置2基)で、出力は4600KM、速力は約16ノット(約29.6km/h)です。
海洋観測艦は、海に関する各種情報の収集を目的とする艦艇で、日本周辺の海域で水温構造や海底地形などといったさまざまな海洋環境データの収集を行います。こういった海洋情報は護衛艦や潜水艦が活動するうえで欠かせないものであり、また日々刻々と変化するため、常にアップデートが必要です。
こうした目的から武装はないものの、各種の海洋観測装置や衛星通信装置を備え、また高い操船機能を確保すべく旋回式推進装置やバウスラスターを装備しています。
艦名「あかし」の由来は、兵庫県明石市の海岸です。ここは古来、「須磨・明石」と並び称される景勝地であることから名付けられました。海上自衛隊で用いるのは、1969年に進水・就役し、1999年に退役した初の海洋観測艦「あかし」以来、2度目です。また、旧日本海軍では防護巡洋艦や工作艦に「明石」として名付けられていました。
建造費は約280億円で、就役は2026年3月ごろの予定。配属先は神奈川県の横須賀基地に所在する第1海洋観測隊となる模様です。
ちなみに、従来の海洋観測艦で最も新しいのは2009年6月に進水し、翌2010年3月に就役している「しょうなん」です。そのため、「あかし」は16年ぶりの新造艦になります。
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